四字熟語 仏教由来

五体投地

(ごたいとうち)

五体を地に投げ伏して仏などを礼拝すること。


6文字の言葉 / 「こ・ご」から始まる言葉
五体投地 ことば
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意味

「五体投地(ごたいとうち)」とは、両手・両膝・額を地に投げ伏して、仏や高僧などを礼拝することです。
仏教における礼拝の中でも最も丁寧な作法とされ、相手に対するこの上ない敬意や、自我を捨てて帰依する心を表すニュアンスを持ちます。

  • 五体(ごたい):両手・両膝・額をあわせた体全体。
  • 投地(とうち):地に身を投げ伏すこと。

語源・由来

「五体投地」は、古代インドで用いられていた最高の敬礼作法に由来するとされています。
7世紀にインドを旅した唐の僧・玄奘げんじょうは『大唐西域記だいとうさいいきき』で、インドの敬礼の作法を九つの段階に分け、最も丁寧な九つ目に「五体投地」を挙げています。
漢訳の『無量寿経むりょうじゅきょう』にも、仏の名を聞いた人々が五体投地して礼拝する場面が出てきます。

使い方・例文

「五体投地」は、本来の宗教的な礼拝の場面のほか、相手への敬意や感嘆の大きさを強調する比喩としても使われます。

  • 僧侶たちは本堂の前で五体投地して祈りをささげた。
  • 巡礼者は聖地を目指し、五体投地を繰り返しながら歩みを進めた。
  • あまりの見事な腕前に、思わず五体投地したくなるほどだった。

誤用・注意点

「五体投地」は本来、仏教における厳粛な礼拝作法を指す言葉です。
日常会話で「深く感服する」「圧倒される」といった比喩として使われることもありますが、あくまで転じた用法である点を踏まえたうえで使うのが望ましいといえます。

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類義語・関連語

「五体投地」と同様に、深い敬意を表す礼拝の言葉には、以下のようなものがあります。

  • 平伏(へいふく):
    ひれ伏して深く頭を下げること。
  • 叩頭(こうとう):
    額を地面につけるほど深くお辞儀をすること。
  • 跪拝(きはい):
    ひざまずいて拝礼すること。

英語表現

prostrate oneself

体を地に投げ出すようにしてひれ伏し、深い敬意や服従を示す表現

Pilgrims prostrate themselves before the temple gate.
(巡礼者たちは寺院の門の前で五体投地する。)

kowtow to

中国式の跪拝礼に由来し、額を地面につけるほど頭を深く下げてへりくだる様子を表す表現

He had to kowtow to the elders of the village.
(彼は村の長老たちに深く頭を下げなければならなかった。)

古代インドの最高の敬礼が仏典の言葉になった

『大唐西域記』は、五体投地のほかにもインドの敬礼の作法を伝えています。
相手が遠ければ額を地につけて拝み、近ければ足をなめ、かかとをさすって敬意を表したといいます。

相手の足に触れて敬うこうした所作は仏教にも取り入れられ、仏の両足に頭を付ける仏足頂礼や、稽首、頭面礼足などと呼ばれる礼拝の形として、経典の漢訳を通じて中国や日本にも伝わりました。
「五体投地」という言葉自体も、こうした翻訳語の一つとして定着したものです。

現在もチベット仏教徒の間では、この礼拝を繰り返しながら聖地を目指す巡礼の風習が続いており、古代インド以来の礼法が今も生きた形で受け継がれています。

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