意味
「有為転変(ういてんぺん)」とは、この世に存在するものはすべて絶え間なく変化し続け、同じ状態にとどまることは決してないという道理を表す言葉です。
そこから転じて、世の中や人の境遇が激しく移り変わるさまにも使います。
- 有為(うい):因縁によって生じたこの世の現象。
- 転変(てんぺん):移り変わり、変化すること。
語源・由来
「有為転変」は、仏教の教えに由来する言葉です。
サンスクリット語で「つくられたもの」を意味する言葉が漢語に訳され、「有為」という仏教用語になりました。
あらゆる現象は原因と条件が組み合わさって仮に生じているにすぎず、その組み合わせが変われば形も消えてしまうという、仏教の世界観を表しています。
その「有為」が絶えず移り変わる(転変する)ことをいうのが「有為転変」です。
南北朝時代の軍記物語『太平記』にも、「有為転変の世の習、今に始ぬ事なれ共」(=移り変わるのが世の常なのは、今に始まったことではないが)と使われています。
使い方・例文
「有為転変」は、社会や人の境遇が大きく移り変わる様子を語る場面で使われます。
- 三十年で商店街の顔ぶれはすっかり入れ替わった。まさに有為転変だ。
- 権勢を誇った一族も、有為転変の末に没落した。
- 祖父は、戦争と高度成長をくぐり抜けた有為転変の人生を語ってくれた。
類義語・関連語
「有為転変」と同様に、この世の移り変わりやはかなさを表す言葉には、以下のようなものがあります。
「有為転変」と「諸行無常」の違い
どちらも仏教に由来し、世の無常を説く言葉ですが、使われ方に違いがあります。
「諸行無常」は仏教の根本の教えの一つで、この世のはかなさや人の死を嘆く場面でよく使われます。
「有為転変」は、物事が激しく移り変わるさまをいう使い方が中心です。
| 語句 | 視点 | 使われ方 |
|---|---|---|
| 有為転変 (ういてんぺん) | 物事の激しい移り変わり | 人の世や社会の変化を語る際 |
| 諸行無常 (しょぎょうむじょう) | この世のはかなさ | はかなさや人の死を嘆く際 |
対義語
「有為転変」とは反対に、いつまでも変わらないことを表す言葉には、次のようなものがあります。
- 万代不易(ばんだいふえき):
いつまでも変わらず続くこと。
英語表現
the only constant is change
あらゆる物事は変化し続けるという考えを表す格言的な表現
As the saying goes, the only constant is change.
(ことわざにあるように、世は有為転変だ。)
nothing lasts forever
永遠に続くものは何もないという、はかなさを表す表現
The empire’s glory faded, proving that nothing lasts forever.
(帝国の栄光も衰え、永遠に続くものなど何もないことを示した。)
有為転変の「有為」は「ゆうい」と読まない
「有為な人材」のように「ゆうい」と読む「有為」は、才能があって役に立つという意味の別の語です。
「有為転変」の「有為」は仏教語で「うい」と読みます(「ういてんべん」と読むこともあります)。
いろは歌の「うゐのおくやま けふこえて」(有為の奥山今日越えて)の「有為」も、これと同じ語です。
いろは歌では、移り変わるこの世を、越えるのが難しい深い山にたとえています。














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