切り株を意味した「株」という言葉が、いつしかその人への世間の評価そのものを指すようになった、そんな価値の変化を映すのが、「株が上がる」(かぶがあがる)です。
意味
株が上がるとは、ある行動をきっかけに、その人物への評価や信頼が高まることという意味です。
株式相場の値上がりになぞらえた表現で、周囲からの見る目が好転する瞬間を軽妙に表す言い回しです。
- 株(かぶ):その人に対する世間の評価。
- 上がる(あがる):評価や価値が高まること。
語源・由来
株が上がるの「株」は、もともと木を切った後に残る「切り株」を意味する言葉でした。
江戸時代には、営業を営む権利や身分、格式を指す言葉としても「株」が使われるようになり、そこから転じて「その人の価値や評判」という意味を持つようになりました。
株式取引が広まった近代以降は、値動きのイメージと結びつき、評判や評価が上向くことを株価の上昇になぞらえて「株が上がる」と表現するようになりました。
使い方・例文
株が上がるは、ある出来事や行動をきっかけに、周囲からの評価が高まった場面で使われます。
- 困っている同僚を助けたことで、彼の株が上がった。
- 冷静な対応が評価され、部内での株が上がる結果となった。
- 手料理を振る舞ったことで、彼女の株が上がったらしい。
類義語・関連語
株が上がると同様に、評価が高まることを表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 評判が上がる(ひょうばんがあがる):世間からの評価が良くなること。
- 男を上げる(おとこをあげる):立派な行いで評価や名誉を高めること。
対義語
株が上がるとは反対に、評価が低下することを表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 株が下がる(かぶがさがる):その人物への評価や信頼が低下すること。
英語表現
earn brownie points
「株を稼ぐ、評価を上げる」という意味のくだけた表現で、ちょっとした良い行いで評価が上がる様子を伝えるフレーズ。
Bringing coffee for everyone really earned him brownie points.
(みんなにコーヒーを持ってきたことで、彼の株が上がった。)
go up in someone’s estimation
「〜の評価の中で上がる」という意味の表現で、特定の人物からの見る目が良くなったことを伝えるフレーズ。
She went up in my estimation after that speech.
(あのスピーチで、彼女の株が上がった。)
経済のたとえで人を評価する言葉たち
人物への評価を経済用語でたとえる表現は「株が上がる」以外にも見られます。
信用や評判を積み重ねることを「信用を積む」、評価が地に落ちることを「値打ちが下がる」と表すのも同じ発想です。
もともと取引や商売の場で使われていた言葉が、人間関係の評価を語る比喩として転用される例は珍しくありません。
目に見えない評判や信頼を、値動きという目に見える現象に置き換えることで、変化の大きさを直感的に伝えやすくなっていると考えられます。









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