意味
「水臭い」とは、親しい間柄なのに、よそよそしく他人行儀な態度をとるという意味です。
頼ってくれてもいいはずの相手が距離を置く態度をとったときに、親愛の情を込めて咎める言葉として使われます。
語源・由来
「水臭い」は、もともと水分が多くて味が薄い、塩気が足りないことを表す言葉でした。
鎌倉時代の説話集『沙石集』(1283年)に「日来はちと水くさき酒にてこそ候しに」という例が見えます。
味が薄いことから情愛が薄いという意味に転じ、江戸時代初期の仮名草子『竹斎』(1621〜23年)には、今と同じよそよそしいという意味で使われた例があります。
使い方・例文
「水臭い」は、親しい相手のよそよそしい態度をたしなめる場面で使われます。
- そんな他人行儀な言い方は水臭いよ。
- 一人で悩まず相談してくれれば良いのに、水臭いな。
- 水臭いことを言わず、遠慮なく頼ってほしい。
類義語・関連語
「水臭い」と同じ意味を持つ言葉に、以下のようなものがあります。
- 他人行儀(たにんぎょうぎ):親しい間柄なのに、よそよそしい態度をとること。
味の薄さから、心の薄さへ
味の薄さを人の心の薄さに重ねる言い方は、「水臭い」だけではありません。
厚意のこもらない扱いを「薄情」といい、疎遠な間柄を「付き合いが薄い」というように、濃さや薄さは人の気持ちを測る言葉として広く使われています。
『沙石集』で薄い酒をいっていた「水臭い」が、三百年余りのちの『竹斎』では人の態度を評する言葉になっていたのも、その延長線上にあります。
親しい相手に「水臭いことを言うな」と返すとき、私たちは味覚から借りてきた比喩をそのまま使っていることになります。









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