意味
「相互扶助」は、「相互」と「扶助」を重ねた言葉で、短く「互助」ともいいます。
一方が与えて他方が受け取るのではなく、たがいに助け、たがいに助けられる関係を指します。
「相互扶助の精神」のように、続いていく関係や仕組みを表す言葉と結びついて使われます。
- 相互(そうご):双方がたがいに同じように関わること。
- 扶助(ふじょ):力添えをして助けること。
語源・由来
「相互扶助」は、「相互」と「扶助」はそれぞれ独立して使われる漢語で、これを重ねることで、助ける向きが双方にあることをはっきり示した言い方になっています。
使い方・例文
「相互扶助」は、地域や職場などで助け合う仕組みや心構えを語る場面で使われます。
- この町内会は相互扶助の精神で成り立っている。
- 農村では相互扶助の慣習が長く受け継がれてきた。
- 災害時こそ相互扶助が働くと、彼は言い切った。
類義語・関連語
「相互扶助」と同じく、支え合う関係を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 共存共栄(きょうぞんきょうえい):
争わずにともに存在し、ともに栄えること。 - 一致団結(いっちだんけつ):
多くの人が心を一つにして、強くまとまること。 - 相身互い(あいみたがい):
同じ境遇にある者どうしが同情し、助け合うこと。 - 持ちつ持たれつ(もちつもたれつ):
たがいに支え、支えられている間柄。
「相互扶助」と「持ちつ持たれつ」の違い
どちらもたがいに支え合う関係を表す、意味の重なりが大きい言葉です。「相互扶助」は「相互」と「扶助」を重ねた言葉で、困ったときに手を差し出し合う関係を指すのに対し、「持ちつ持たれつ」はたがいに支え、支えられている間柄そのものを指す、より日常的な言い方です。
| 語句 | 言葉の性質 |
|---|---|
| 相互扶助 (そうごふじょ) | 困ったときの助け合いを指す、やや硬い言い方 |
| 持ちつ持たれつ (もちつもたれつ) | 支え合う間柄を指す、日常的な言い方 |
対義語
- 弱肉強食(じゃくにくきょうしょく):
強い者が弱い者を犠牲にして栄えること。
英語表現
mutual aid
たがいに助け合う関係をそのまま言い表す表現。
The village survived on mutual aid.
(その村は相互扶助で成り立っていました。)
help each other out
日常の会話で、困ったときに手を貸し合うことを言うときの言い回し。
Neighbors here always help each other out.
(ここの近所同士はいつも助け合っています。)
クロポトキンが見た助け合い
「相互扶助」には、ロシアのクロポトキンが唱えた学説を指すもう一つの意味があります。
ダーウィンの進化論のうち生存競争の面ばかりが強調されることへの批判として、生物の世界には助け合いの働きがあることを示そうとしたものです。
その考えをまとめた著作が、1902年に刊行された『相互扶助論』です。
クロポトキンは、助け合いを種を残すためだけの行いではなく、食欲や睡眠と並ぶ本能的な欲求だと考え、これを社会性と名づけました。









コメント