意味
「煮詰まる」には、鍋の中の汁が煮えて水分がなくなる、という文字どおりの意味があります。
そこから話し合いを鍋に見立てて、意見が出つくして結論が見えてきた状態を表すようになりました。
この使い方は1900年代後半に始まったとみられます。
- 煮る(にる):水を加えて火にかけること。
- 詰まる(つまる):減って余りがなくなること。
語源・由来
「煮詰まる」は、煮ることで汁が濃くなっていく様子を、話し合いの進み方にあてはめた言葉です。
島崎藤村の『破戒』(1906年)には、煮えすぎて水分がなくなった汁を指す使い方が出てきます。
朝は必ず生温い飯に、煮詰った汁と極って居たのが
使い方・例文
「煮詰まる」は、話し合いが進んで結論が近づいた場面で使われます。
- 三日の討議で、計画はかなり煮詰まった。
- 話が煮詰まってきたので、そろそろ採決しよう。
- 条件はほぼ煮詰まり、あとは署名を残すだけだ。
二つの使い方と、その割合
文化庁「国語に関する世論調査」(平成25年度)では、「七日間に及ぶ議論で、計画が煮詰まった」を、本来の意味とされる「結論の出る状態になること」で使う人が51.8パーセント、「結論が出せない状態になること」で使う人が40.0パーセントでした。
本来の意味のほうが多数派です。
平成19年度の調査では前者が56.7パーセント、後者が37.3パーセントでしたから、六年間で差は縮まっています。
「結論が出せない」という使い方が広まったのは2000年ごろからとみられます。
意味の受け取られ方が動いた言葉は、誤用されがちな ことわざ、四字熟語、慣用句、実は間違っている?誤用されやすい日本語・ことわざ解説、時代とともに意味が逆転した言葉18選、「意味悪化」した言葉一覧にもまとめています。
類義語・関連語
「煮詰まる」と同じく、物事が決まる段階に近づくことを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 機が熟する(きがじゅくする):
ある物事をするのに、ちょうどよい時機になること。 - 大詰め(おおづめ):
物事の終局の場面。最後の段階。
「煮詰まる」と「大詰め」の違い
どちらも終わりが近いことを表しますが、近づいているものが違います。
「煮詰まる」は話し合いの中身が固まってきたこと、「大詰め」は場面が最後に差しかかったことを指します。
| 語句 | 近づいているもの | 使う場面 |
|---|---|---|
| 煮詰まる (につまる) | 結論の中身 | 議論や検討の途中 |
| 大詰め (おおづめ) | 最後の場面 | 物事の終わりぎわ |
英語表現
boil down
煮て水分を減らす動作をそのまま表す言い方。
The syrup boiled down in a very short time.
(シロップはすぐに煮詰まった。)
get close to a conclusion
議論が結論の出る段階へ近づいたことを伝える言い方。
The discussion got close to a conclusion.
(議論は煮詰まってきた。)
台所から出た言い回し
煮ることに関わる言葉は、台所を離れて人や物事の様子を表すものが多くあります。
「煮え切らない」は態度がはっきりせずぐずぐずしていること、「煮え湯を飲まされる」は信じていた相手に裏切られることを指します。
「生煮え」にも「十分な議論・検討のされていないこと」という意味があります。
火の通り具合の違いが、そのまま検討の進み具合の違いに割り当てられています。








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