意味
「自家撞着」とは、一人の人が言うことや書くことの、前と後ろが食い違ってしまうことを表す言葉です。
「自家」は自分の家ではなく自分自身を指し、一人の人の中で前に言ったことと後で言ったことがぶつかる点を表しています。
文章や理屈の運びについて言う、やや改まった言い方です。
- 自家(じか):自分自身。
- 撞着(どうちゃく):突き当たること。つじつまが合わないこと。
語源・由来
「自家撞着」は、「自家」と「撞着」という二つの語を組み合わせた四字熟語です。
「自家」は自分自身を、「撞着」は突きあたることを表します。
明治12年(1879年)の教育令をめぐる議事の記録に、「一定不易の学齢を伸縮すべしと為さば自家撞著を免かれざればなり」という一節が出てきます。
「自家撞着」はいくぶん学術的で古風な語で、日常では「自己矛盾」のほうがよく使われます。
使い方・例文
「自家撞着」は、同じ人の言い分が前後で食い違っていることを指摘する場面で使われます。
- 規制を緩めながら取り締まりを強めるとは自家撞着だ。
- 彼の説明は途中から自家撞着に陥り、聞くに堪えない。
- 自由を守るために自由を制限する。まさに自家撞着である。
類義語・関連語
「自家撞着」と同じように、言うことやすることのつじつまが合わない状態を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 自己撞着(じこどうちゃく):
「自家撞着」と同じ意味で使われる言い方。 - 矛盾(むじゅん):
二つの物事や言動のつじつまが合わず、食い違っていること。 - 二律背反(にりつはいはん):
互いに矛盾する二つの主張が、等しく正しさを主張し合っている状態。 - 支離滅裂(しりめつれつ):
話の筋道や考えがばらばらで、まとまりがない様子。
「自家撞着」と「自己撞着」の違い
「自家撞着」と「自己撞着」は、頭の「自家」と「自己」が入れ替わっただけで、意味は同じです。
どちらも一人の人の言動や文章の中で、前後の内容が食い違うことを表します。
| 語句 | 頭に置く語 |
|---|---|
| 自家撞着 (じかどうちゃく) | 自家(自分自身) |
| 自己撞着 (じこどうちゃく) | 自己(自分自身) |
対義語
「自家撞着」と正面から対立する、始めから終わりまで筋が通っていることを表す言葉には以下のようなものがあります。
英語表現
contradict oneself
自分が前に言ったことと食い違うことを言ってしまう状態を表す言い方。
He contradicted himself twice in the same speech.
(彼は同じ演説の中で二度も自分の言葉と食い違うことを言いました。)
self-contradictory
それ自体の中で筋が通っていないことを表す表現。
The report is self-contradictory from start to finish.
(その報告書は初めから終わりまで筋が通っていません。)
「撞」の字が今も残る場所
現代語で「撞」を使う言葉としてまず思い浮かぶのは「撞球」です。
撞球は玉突き、つまりビリヤードのことで、玉を突くという動きがそのまま字に表れています。
寺の鐘をつく棒である撞木も、同じ字を使います。
一方の「着」は、「到着」「帰着」のように、そこへ行き着いてもう終わりになることを表す字です。









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