意味
「自分の首を絞める」は、自分の言動があとになって自分の不利にはたらいたときに使います。
首を絞められれば息ができなくなるという重い行いをたとえに使い、悪い結果となる原因をみずから作ることを表します。
同じ意味の言い方に「墓穴を掘る」があります。
語源・由来
「自分の首を絞める」は、特定の書物から生まれた言葉ではなく、「首を絞める」という行いの向きを自分に返した言い回しです。
首は息の通り道で、絞められれば命に関わります。
その重い行いを、他人の手ではなく自分の手でしてしまう形にしたのがこの言葉です。
ここでいう「首」は頭と胴をつないでいる部分で、絞めるという動作はこの部分に向けられています。
使い方・例文
「自分の首を絞める」は、自分の言動が回りまわって自分を苦しめた場面で使われます。
- 安請け合いばかりして、結局自分の首を絞めることになった。
- 値下げ競争を仕掛けたが、どの店も自分の首を絞めただけだった。
- 納期を短く言いすぎては、自分の首を絞めるようなものだ。
「真綿で首を絞める」との取り違えに注意
同じ「首を絞める」を含みますが、真綿で首を絞めるは別の言葉です。
こちらは時間をかけて少しずつ相手を責め、追い詰めていくようすを言い、苦しめる側は他人です。
「自分の首を絞める」は、苦しい状況を招いた相手が自分自身である点が違います。
類義語・関連語
「自分の首を絞める」と同じように、自分の行いが自分に返ってくることを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 墓穴を掘る(ぼけつをほる):
身を滅ぼす原因を自分から作ることのたとえ。 - 身から出た錆(みからでたさび):
自分の犯した過ちが原因で、自分が苦しい目に遭うこと。 - 自業自得(じごうじとく):
自分の行いの報いを、自分自身が受けること。 - 天に向かって唾を吐く(てんにむかってつばをはく):
人に害を与えようとして、かえって自分に災いを招くたとえ。 - 藪をつついて蛇を出す(やぶをつついてへびをだす):
しなくてよいことをしたために、災いを受けるたとえ。
「自分の首を絞める」と「墓穴を掘る」の違い
「自分の首を絞める」と「墓穴を掘る」は、ほぼ同じ場面で使えます。
「自分の首を絞める」が悪い結果の原因を作ること、「墓穴を掘る」が身を滅ぼす原因を作ることを指し、招く結果の重さに差があります。
| 語句 | 招く結果 | たとえの元 |
|---|---|---|
| 自分の首を絞める (じぶんのくびをしめる) | 悪い結果 | 自分の手で首を絞める行い |
| 墓穴を掘る (ぼけつをほる) | 身を滅ぼすほどの結果 | 自分が入る墓の穴 |
英語表現
shoot oneself in the foot
直訳は「自分の足を撃つ」で、愚かな言動によって自分の計画や歩みをだいなしにしてしまうという表現。
He would have a real chance of winning if he didn’t keep shooting himself in the foot.
(余計なことを言い続けさえしなければ、彼にも十分に勝ち目があるでしょう。)
cut one’s own throat
直訳は「自分ののどを切る」で、自分の振る舞いによって自分を苦しい立場へ追い込むという言い回し。
You cut your own throat when you react so defensively.
(そんなに身構えて言い返すと、自分の首を絞めることになりますよ。)
「首」という言葉が指すもの
「首」にはいくつもの意味があります。
頭と胴をつなぐ部分がもとの意味で、そこから頭そのもの、瓶の首のような形、衣服の襟へと使い道が広がりました。
「お前は首だ」と言うときの首は、職をやめさせることを指します。
顔、とりわけ美しい顔という意味もあり、江戸時代の洒落本『浪華色八卦』には「かかる所には看板の首といふものありて」という一節が出てきます。
看板になるほどの美しい人を「首」と呼んだ言い方です。









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