三字熟語 仏教由来

阿修羅

(あしゅら)

帝釈天と争うインドの神。仏教では仏法を守る八部衆の一つともされる。

短縮形:修羅

4文字の言葉 / 「あ」から始まる言葉
阿修羅 ことば
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意味

「阿修羅(あしゅら)」とは、帝釈天と絶え間なく戦い続けるとされる、争いを好む神を指します。
もとは古代インドの神話に登場する神でしたが、仏教に取り入れられて鬼神とされる一方、仏の教えを守る守護神にも数えられるようになりました。
略して「修羅」とも呼ばれます。

語源・由来

この言葉は、サンスクリット語(梵語)の「アスラ(asura)」を漢字で音写したものです。
インドとイランがまだ同じ言葉を話していた古い時代、アスラはもともと「神」を意味し、ゾロアスター教の主神アフラ・マズダ(Ahura Mazda)とも同じ語源とされています。

やがてインドで雷神インドラ(帝釈天)をはじめとする神々の勢力が強まると、アスラはその敵対者、すなわち悪神・鬼神を指す言葉に変わりました。
「阿」を否定を表す音、「修羅」を神を表す音とみなして「神ならざるもの」と解釈する説も、こうした位置づけを後押ししたとされています。

仏教に取り入れられてからは、帝釈天と絶えず戦い続ける鬼神とされる一方、釈迦の教えを守る8種類の守護神「八部衆」の一つにも数えられるようになりました。
死後に生まれ変わる六つの世界を説く六道輪廻の教えでも、争いの絶えない世界として阿修羅の世界(阿修羅道)が数えられています。

帝釈天と阿修羅の激しい戦いのイメージは、のちに日本で、血なまぐさい争いの現場を指す修羅場という言葉のもとになりました。

三つの顔を持つ興福寺の阿修羅像
興福寺の阿修羅像

使い方・例文

阿修羅は、仏教用語や実在する仏像を指すだけでなく、激しい怒りや荒々しい形相をたとえる言葉としても使われます。

  • 興福寺に伝わる阿修羅像は、憂いを帯びた表情で広く知られている。
  • 怒りに我を忘れた彼は、まるで阿修羅のような形相だった。
  • 延長戦に入ると、彼は土壇場で阿修羅と化し、猛烈な追い上げを見せた。
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類義語・関連語

この言葉と同様に、もとは恐ろしい鬼神でありながら、仏教に取り入れられて仏法を守る側にも回った存在には、次のようなものがあります。

  • 夜叉(やしゃ):
    もとはインドの恐ろしい鬼神で、仏教では仏法を守る守護神ともされる。
  • 羅刹(らせつ):
    もとはインドの人を食う悪鬼で、仏教では仏法を守る守護神ともされる。

英語表現

英語では、サンスクリット語の音をそのまま写した次の語で表します。

asura

インド神話や仏教に登場する、神々と敵対する鬼神の一族を指す語。

In Buddhist tradition, the asuras are always at war with Indra.
(仏教の伝承では、阿修羅は常に帝釈天と戦っている。)

興福寺の阿修羅像は、鎧を着けていない

阿修羅の姿を伝える最も有名な例が、奈良・興福寺に伝わる国宝「阿修羅像」です。
争いを好む戦闘神でありながら、この像は甲冑かっちゅうを身に着けておらず、上半身に条帛じょうはく(= 布を斜めに巻き付けた略式の衣)をまとい、草履ぞうりを履いた姿で表されています。
三面六臂さんめんろっぴ(= 3つの顔と6本の腕を持つ姿)の正面の顔は、憂いを帯びた若々しい表情をしており、荒々しい戦闘神の面影は感じられません。

この像は、734年に建てられた興福寺西金堂に安置されました。
麻布に漆を重ねて形づくる脱活乾漆造だっかつかんしつづくり(= 奈良時代に用いられた仏像の製作技法)で作られており、像高は153.4センチメートルです。
2009年に東京・九州の両国立博物館で開かれた「国宝 阿修羅展」には、あわせて165万人以上が訪れました。

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