四字熟語 仏教用語

三面六臂

(さんめんろっぴ)

一人で何人分もの働きをする、非凡な活躍のこと。


7文字の言葉さ・ざ」から始まる言葉
三面六臂 ことば
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意味

「三面六臂」とは、一人で何人分もの働きをする、非凡な活躍という意味です。
「八面六臂」とほぼ同義ですが、「八面六臂」の方がより多方面にわたる活躍を強調するのに対し、「三面六臂」はそれよりやや的を絞った、集中した活躍を指す言葉として使われます。

  • 三面(さんめん):三つの顔。
  • 六臂(ろっぴ):六本の腕(臂は肘から先)。

語源・由来

「三面六臂」は、仏教彫刻に見られる阿修羅像の姿に由来する言葉です。
阿修羅はもとインド神話に登場する好戦的な神で、三つの顔と六本の腕を持つ像として造形され、複数の方向を同時ににらみ、複数の武器を同時に操る超人的な力の象徴とされてきました。
この造形が「一人で何人分もの働きをする」という比喩に転じ、後に顔と腕の数をさらに増やした「八面六臂」という表現も生まれたとされています。

使い方・例文

「三面六臂」は、一人が複数の役割や仕事を同時にこなし、大きな成果を上げている状況で使われます。

  • 少人数の職場で、彼は経理から接客まで三面六臂の働きをしている。
  • 育児と仕事を両立させる彼女の三面六臂ぶりには頭が下がる。
  • 司会も進行も一人でこなす、三面六臂の忙しい一日だった。

類義語・関連語

「三面六臂」と同じく、一人で多くの働きをこなす様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 八面六臂(はちめんろっぴ):
    一人で何人分もの働きをし、多方面で目覚ましい活躍をすること。
  • 獅子奮迅(ししふんじん):
    獅子が暴れ回るような、激しい勢いで物事に取り組む様子。

どちらも一人で複数の役割をこなす活躍を表しますが、規模のニュアンスに差があります。的を絞った活躍なら「三面六臂」を、より広範囲かつ圧倒的な活躍なら「八面六臂」を使うのが自然です。

「三面六臂」と「八面六臂」の違い

語句活躍の範囲ニュアンス
三面六臂
(さんめんろっぴ)
限定的・集中的。非凡な活躍。
八面六臂
(はちめんろっぴ)
広範囲・圧倒的。目覚ましい大活躍。

対義語

「三面六臂」の対義語には、以下のような言葉が挙げられます。

  • 無芸大食(むげいたいしょく):
    何の才能も技術もなく、ただ食べる量だけが多いこと。
  • 一能一芸(いちのういちげい):
    一つの分野にだけ優れていること。

英語表現

jack of all trades

多くの分野をこなせる人を指す、日常会話でよく使われる表現。

She’s a jack of all trades, handling everything from design to sales.
(彼女はデザインから営業まで何でもこなす、三面六臂の人材だ。)

wear multiple hats

一人で複数の役割を兼任している状態を表す表現。

In a small startup, everyone has to wear multiple hats.
(小さなスタートアップでは、誰もが三面六臂の働きをしなければならない。)

仏像における「顔」と「腕」の数の意味

仏教の造形物には、三面六臂の阿修羅像のほかにも、千の手を持つとされる千手観音像や、十一の顔を持つ十一面観音像など、顔や腕の数が異なる仏像が数多く存在します。
腕の数は、すくい上げる、守る、武器を持つといった仏の働きの多さを、顔の数は、あらゆる方向にいる人々の声を同時に聞き取る力を表すとされています。
同じ「多面多臂」の発想でも、数が大きくなるほどより広範囲・大規模な力を象徴すると考えられており、三面六臂と八面六臂のニュアンスの違いも、この数の感覚に通じるものです。

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