三字熟語 仏教用語

修羅場

(しゅらば)

血みどろの激しい戦いや、人間関係の争いが絶えない凄惨な状態。


4文字の言葉し・じ」から始まる言葉
修羅場 ことば
スポンサーリンク

意味

「修羅場」とは、血みどろの激しい戦いや、争いが絶えない凄惨な状態を表します。
現代では転じて、人間関係の激しいトラブルや、仕事などで極度に追い詰められた余裕のない状況など、強いストレスや緊張を伴うネガティブな場面で広く使われます。

  • 修羅(しゅら):争いを好むインドの神、阿修羅のこと。
  • (ば):特定の場所や場面。

語源・由来

「修羅場」は、仏教の神話に登場する激しい戦いの物語に由来します。
仏教の世界では、天界の主である帝釈天たいしゃくてんと、争いを好む鬼神の阿修羅あしゅらが果てしない戦いを繰り返していました。
阿修羅が帝釈天に娘を奪われた怒りから始まったこの激しい戦いの場所を、仏教用語で「修羅の場」と呼んだことが始まりです。
これが時を経て、日常の激しい争いや過酷な状況を指す言葉として定着しました。

使い方・例文

「修羅場」は、人間関係の深刻なトラブルや、締め切り前などの過酷な状況を表す際に用いられます。

  • あの修羅場をくぐり抜けてきた社長なら、この程度の赤字は動じない。
  • 浮気現場に妻が乗り込んできた。まさに修羅場である。

類義語・関連語

「修羅場」と同様に、争いや混乱による過酷な状況を表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 阿鼻叫喚(あびきょうかん):
    悲惨な状況で泣き叫ぶ様子。
  • 修羅の巷(しゅらのちまた):
    激しい戦いや争いが行われている場所。
  • 生き地獄(いきじごく):
    この世のものとは思えないほどの苦しみを受ける状況。
  • 泥沼(どろぬま):
    一度関わると抜け出せない、厄介な争いや事態。

「修羅場」と「修羅の巷」の違い

どちらも「修羅」の字を含み、激しい争いや混乱を表しますが、指し示す範囲に違いがあります。
「修羅場」は目の前で繰り広げられる個別の対立や緊迫した一場面を指すのに対し、「修羅の巷」は争いが絶えない場所や環境そのものを指します。

語句焦点状況の性質
修羅場
(しゅらば)
個別の対立や場面特定の一場面・出来事としての緊迫
修羅の巷
(しゅらのちまた)
争いが続く場所場所や環境そのものの荒廃

英語表現

a scene of carnage

直訳は「大虐殺の場面」となり、血みどろの争いや凄惨な現場を表す表現。

The accident site was a scene of carnage.
(事故現場はまさに修羅場でした。)

a hell of a situation

ひどく困難で厄介な状況や、トラブルが起きている場面で使われる日常的な表現。

I walked into a hell of a situation at work today.
(今日、職場で修羅場に出くわしました。)

阿修羅と帝釈天の戦いが語源、江戸の演芸が今の意味を広めた

「修羅場」はもともと仏教の伝承に登場する阿修羅と帝釈天が激しく争ったとされる場所を指す言葉です。
阿修羅は仏教やインド神話に登場する戦いを好む神で、帝釈天との抗争は仏典にたびたび描かれています。

この仏教語が転じて、日本では戦場や刑場など、殺傷や流血をともなう激しい争いの現場全般を「修羅場」と呼ぶようになりました。
江戸時代には、武将の合戦を語る講談や、歌舞伎の立ち回りの場面を指す専門用語としても使われ、講談の世界では「しらば」「ひらば」とも呼ばれていました。

もともと合戦などの物理的な戦いの場面を指していたこの言葉は、現代では男女の愛憎劇など、感情的な対立が激しくぶつかり合う場面にも使われるようになりました。
仏教の争いの場から演芸の専門用語を経て、日常語へと意味を広げてきた言葉です。

スポンサーリンク

コメント