意味
「琴瑟相和す(きんしつあいわす)」とは、夫と妻の気持ちがよく通い合い、仲がむつまじいという意味です。
琴と瑟という二つの弦楽器を合わせて弾くと音がよく調和することから、夫婦の仲のよさをたとえています。
四字の形で「琴瑟相和」と書かれることもあります。
- 琴瑟(きんしつ):琴と瑟。瑟は琴に似た大型の弦楽器。
- 相和す(あいわす):互いに調和する。
語源・由来
この言葉は、中国最古の詩集『詩経』の小雅(= 宮廷の宴などでうたわれた詩を集めた部分)に収められた詩「常棣」にある、次の一節が由来です。
妻子好合,如鼓瑟琴。
(妻や子と仲よく打ち解けているさまは、瑟と琴を合わせて弾いているようだ)
原文では「瑟琴」の順になっています。
「常棣」は、古い注釈では兄弟をもてなす宴の詩とされ、この一節も妻子について述べたものでした。
それが後に、夫婦の仲のよさを言う言葉として使われるようになりました。
「相和す」の代わりに「調和す」「調う」を使った「琴瑟調和す」「琴瑟調う」という言い方もあります。

使い方・例文
- 結婚して五十年になる祖父母は、今も琴瑟相和す仲で近所の評判だ。
- お二人が琴瑟相和す温かい家庭を築かれるよう、心から願っております。
- 若いころは口げんかの絶えない夫婦だったが、今では琴瑟相和して暮らしている。
類義語・関連語
夫婦や男女の仲がよいことを表す言葉には、次のようなものがあります。
- 鴛鴦の契り(えんおうのちぎり):
おしどりの雄と雌にたとえた、仲のよい夫婦の結びつき。 - 比翼連理(ひよくれんり):
男女の情愛が深く、離れがたい仲であることのたとえ。 - 偕老同穴(かいろうどうけつ):
夫婦がともに老い、死後は同じ墓に葬られるほど固く結ばれていること。
「琴瑟相和す」と類義語の違い
どれも夫婦や男女の仲のよさを言う言葉ですが、「琴瑟相和す」は楽器の音が合うことにたとえて、二人の気持ちがよく調和している点に重きを置いています。
| 語句 | たとえに使うもの | 言い表す中心 |
|---|---|---|
| 琴瑟相和す (きんしつあいわす) | 琴と瑟の合奏 | 夫婦の気持ちがよく合い、仲がよいこと |
| 鴛鴦の契り (えんおうのちぎり) | おしどりの雄と雌 | 仲のよい夫婦の結びつき |
| 比翼連理 (ひよくれんり) | 比翼の鳥と連理の枝 | 男女の離れがたい深い情愛 |
| 偕老同穴 (かいろうどうけつ) | ともに老いて同じ墓に入ること | 生涯を連れ添う夫婦の固い契り |
「琴瑟相和す」の琴瑟は『詩経』冒頭の詩「関雎」にも出てくる
「琴瑟」の語は、『詩経』の最初に置かれた詩「関雎」にも出てきます。
「関雎」は、君子(= 徳のある立派な男性)がよい連れ合いを求める詩で、その中に次の句があります。
窈窕淑女,琴瑟友之。
(しとやかで美しい娘と、琴と瑟を奏でて親しみ合う)
語の出典は「常棣」ですが、男女が琴と瑟を通じて心を通わせる句は、『詩経』の冒頭にすでにあります。





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