意味
「十万億土(じゅうまんおくど)」とは、この世から極楽へ向かう途中にあるという、数えきれないほどの仏の国のことです。
そこから転じて、極楽浄土そのものも指します。
はるかに遠く離れた所のたとえに使われることもあります。
語源・由来
この言葉は仏教の語で、「十万億仏土」とも言います。
「億」は非常に大きな数の単位で、「十万億」は数えきれないほど多いこと、「土」は仏の住む国を表します。
お釈迦様が極楽について説いた『阿弥陀経』に、次の一節があります。
從是西方過十萬億佛土,有世界名曰極樂。
(ここから西の方へ十万億の仏の国を過ぎた所に、極楽という名の世界がある)

使い方・例文
- 法話で、極楽はこの世から十万億土を隔てた西のかなたにあると聞いた。
- 亡くなった祖父は、今ごろ十万億土で安らかに過ごしているだろう。
- 単身赴任先が遠すぎて、家族には十万億土の果てのように感じられた。
太宰治『花火』の母の嘆き
『花火』(太宰治)で、息子の勝治がチベットへ行くと言い張って聞かず、母が困り果てる場面です。
遠いチベットを十万億土と言い表しています。
いまはもう、いっそ、母のほうで、そのチベットとやらの十万億土へ行ってしまいたい気持である。
極楽の人々は朝のうちに十万億の仏を巡る
『阿弥陀経』は、極楽の様子も細かく描いています。
池の底には金の砂が敷かれ、池に咲く蓮の花は車輪ほどの大きさがあるといいます。
さらに、極楽に住む人々は毎朝早く、美しい花を盛って、ほかの国々の十万億の仏に供えに出かけ、食事の時までには自分の国へ戻ってくると説かれています。
この世から極楽までの隔たりと同じ「十万億」という数が、ここにも出てきます。









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