意味
「寒垢離(かんごり)」とは、一年でもっとも冷え込む時期に、冷たい水を浴びて汚れを払い、神仏に願をかけるという意味です。
自らに苦しみを課す荒行の一つで、俳句では冬の季語としても使われます。
- 寒(かん):一年で最も寒さが厳しい時期。
- 垢離(こり):冷水を浴びて身を清めること。
語源・由来
「垢離」は、「川降(かわお)り」が音変化したことばともいわれ、「垢離」の字は当て字と考えられています。
真言宗や修験道からおこったとされています。
「寒垢離」は、この「垢離」に、一年でもっとも寒さが厳しい時期を指す「寒」を組み合わせたことばです。
寒の時期に限って垢離をとると、もっとも効き目があると考えられていました。
垢離には、数多く水を浴びるほど願いがかなうと考えられた「千垢離」「万垢離」という形もあります。
この行は、山法師や修験者が寒中に白装束で町を歩き、六根清浄を唱えながら、家々の戸口に用意された水桶の水を浴びて回る修行としても知られています。
使い方・例文
「寒垢離をとる」「寒垢離を行う」のように、神仏への祈願や修行の場面で使われることばです。
- 毎年一月、近所の神社では今も寒垢離の行事が続けられている。
- 若い修行僧が寒垢離に挑み、桶の水を頭からかぶった。
類義語・関連語
この言葉と同様に、水を浴びて身を清めることを表す言葉に、次のようなものがあります。
- 垢離(こり):
季節を限定せず、冷水を浴びて身を清めること全般を指すことばです。 - 水垢離(みずごり):
冷水を浴びて心身を清めること。垢離とほぼ同じ意味で使われます。 - 禊(みそぎ):
神道の儀礼で、水を浴びて罪やけがれを払うことです。 - 沐浴(もくよく):
宗教的な意味に限らず、広く体を洗い清めることをいいます。
一茶は寒垢離を「せなかの竜の披露」と詠んだ
江戸時代の俳人・小林一茶に、寒垢離を詠んだ次の句があります。
寒垢離にせなかの竜の披露かな
(小林一茶)
冷水を浴びるために肌脱ぎになった寒垢離の場で、背中に彫った竜の彫り物が人目にさらされる様子を「披露」と詠んだ句です。
身を清めて神仏に祈るはずの場が、彫り物を見せる場にもなっている、というおかしみがあります。


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