中国の有名なことわざ27選|意味・使い方・文化的背景を解説

スポンサーリンク

五千年の歴史を持つ中国には、四字熟語や故事成語とは別に、庶民の暮らしから生まれた口語の「諺語(ヤンユー)」「俗語(スーユー)」が数多く残っています。
「中国のことわざ」には、農耕文化に根ざした処世術と、家族や隣人との付き合い方、そして率直なユーモアが息づいています。

「一分耕せば、一分の収穫がある」という地道な教えから、「金があれば鬼にも石臼を挽かせられる」という皮肉まで。
今回は、四字熟語や故事成語とは異なる、口語的な諺語・俗語から有名なことわざ27選を、意味・由来・カタカナ読み付きで解説します。

【人生観・運命】先の見えない世を生きる

世の中の不確実さを見つめ、環境を変える勇気や物事の積み重ねを説く言葉が残っています。

天には予測できない風雲があり、人には朝夕の禍福がある

天有不测风云,人有旦夕祸福
(ティエンヨウ・ブーツォ・フォンユン、レンヨウ・ダンシー・フオフー)

世の中は何が起こるか分からない、という人生の不確実性を説く言葉。今も日常会話や文章で頻繁に使われます。

木は移すと枯れるが、人は場所を変えれば活きる

树挪死,人挪活
(シューヌオスー、レンヌオフオ)

環境や仕事を変える勇気が、人生を好転させるという処世訓。転職や住み替えを後押しする文脈でよく使われます。

人は高い所へ向かい、水は低い所へ流れる

人往高处走,水往低处流
(レンワンガオチューゾウ、シュイワンディーチューリウ)

人には向上心があって当然だという、ごく日常的な言い回し。転職や出世を後押しする際によく使われます。

三尺の氷は、一日の寒さでできたものではない

冰冻三尺,非一日之寒
(ビンドンサンチー、フェイイーリージーハン)

ローマは一日にして成らず
大きな問題や結果は、長い時間の積み重ねによって生じるというたとえ。物事の背景を軽視しないよう戒める際に使われます。

【処世術・生き方の知恵】本気で取り組む者だけが報われる

普段の心構えと、いざという時の備えを説く、実用的な処世訓が数多く残っています。

世に難しいことなどない、ただ心ある人がいないことを恐れるのみ

世上无难事,只怕有心人
(シーシャンウーナンシー、ジーパーヨウシンレン)

精神一到何事か成らざらん
本気で取り組めば、大抵のことは成し遂げられるという励ましの言葉。明代の小説『西遊記』に見える表現から、口語として定着しました。

普段は線香を焚かず、急場になって仏の足にすがりつく

平时不烧香,急来抱佛脚
(ピンシーブーシャオシアン、ジーライバオフォージアオ)

苦しい時の神頼み
普段何もせず、いざという時だけ慌てて頼み込む態度を皮肉る言葉です。

紙で火は包めない

纸包不住火
(ジーバオブージューフオ)

悪事千里を走る
真実や悪事は、いずれ必ず露見するというたとえです。

風がなければ、波は立たない

无风不起浪
(ウーフォンブーチーラン)

火のない所に煙は立たぬ
噂や騒動には、必ず何らかの根拠があるという意味です。

三百六十の職業があるが、どの職業からも状元が出る

三百六十行,行行出状元
(サンバイリウシーハン、ハンハンチュージュアンユエン)

どんな仕事でも、極めれば一流になれるという励まし。「状元」は科挙の首席合格者を指し、「職業に貴賤なし」に近いニュアンスで使われます。

良い記憶力も、ダメになった筆先には及ばない

好记性不如烂笔头
(ハオジーシンブールーランビートウ)

どんなに記憶力が良くても、メモを取ることには及ばないという実用的な教えです。

年老いるまで生き、年老いるまで学ぶ

活到老,学到老
(フオダオラオ、シュエダオラオ)

生涯にわたって学び続けるべきだという教え。西洋の格言の翻訳という説もありますが、現代の中国語で広く使われる口語表現として完全に定着しています。

【人間関係】遠くの親戚より、近くの他人

人付き合いの機微と、団結の大切さを説く言葉が残っています。

道が遠くてこそ馬の力が分かり、日が長く経ってこそ人の心が分かる

路遥知马力,日久见人心
(ルーヤオジーマーリー、リージウジエンレンシン)

人の本当の実力や人柄は、長い時間をかけて初めて分かるという意味です。

隣人が良ければ、金の宝にも勝る

邻居好,赛金宝
(リンジューハオ、サイジンバオ)

良い隣人関係は、金銀にも勝る財産だというたとえ。「遠くの親戚より近くの他人」と並んで使われることが多い言葉です。

友達が多ければ、道は歩きやすい

朋友多了路好走
(ポンヨウドゥオロルーハオゾウ)

人脈や友人が多いほど、人生を渡りやすいという意味です。

人の心が一つになれば、泰山さえ動かせる

人心齐,泰山移
(レンシンチー、タイシャンイー)

団結すれば、大きな力を発揮できるという意味です。

【家族】家庭が和やかであれば

家族の和と、親から子への深い情を説く言葉が残っています。

家庭が和やかであれば、万事がうまくいく

家和万事兴
(ジアハーワンシーシン)

家族円満こそが、物事すべての土台であるという、中国で非常によく使われる言葉です。

家を切り盛りしなければ、薪や米の値段の高さを知らない

不当家不知柴米贵,不养儿不知父母恩
(ブーダンジアブージーチャイミーグイ、ブーヤンアルブージーフームーエン)

実際に経験して初めて、その大変さや恩が分かるという教え。「子を育てなければ、親の恩を知らない」と続きます。

子が千里の彼方へ行けば、母は心配する

儿行千里母担忧
(アルシンチエンリームーダンヨウ)

子がどんなに遠くへ行っても、母親はいつも案じているという、母の愛を表す言葉です。

子や孫には、子や孫自身の福がある

儿孙自有儿孙福,莫为儿孙作马牛
(アルスンズーヨウアルスンフー、モーウェイアルスンズオマーニウ)

子や孫の将来を心配しすぎて、自分を犠牲にするなという教え。明代の民間格言集『増広賢文』に収録されています。

家の恥は、外に広めてはならない

家丑不可外扬
(ジアチョウブークーワイヤン)

家庭内の問題は身内で解決し、外部に言いふらすべきではないという教えです。

【労働・勤勉】遅くとも、止まらない

努力した分だけ報われるという、農村由来の勤勉の教えが残っています。

一分耕せば、一分の収穫がある

一分耕耘,一分收获
(イーフェンゴンユン、イーフェンショウフオ)

蒔かぬ種は生えぬ
努力した分だけ、結果が得られるという意味です。

遅いのは怖くない、怖いのは立ち止まることだ

不怕慢,就怕站
(ブーパーマン、ジウパージャン)

ペースが遅くても進み続けることが大切で、止まってしまうことこそが問題だという教えです。

勤勉であれば百の巧みさが生まれ、怠惰であれば百の病が生まれる

一勤生百巧,一懒生百病
(イーチンションバイチアオ、イーランションバイビン)

勤勉さは能力を育て、怠惰は不調を招くという、農村由来の生活訓です。

ゆっくりした仕事から、精巧な出来栄えが生まれる

慢工出细活
(マンゴンチューシーフオ)

急がば回れ
急がず丁寧に取り組んでこそ、良い仕事ができるという意味です。

【金銭】財のために身を滅ぼす

金銭の力とその危うさを、率直な皮肉を込めて語る言葉が残っています。

人は財のために死に、鳥は食のために命を落とす

人为财死,鸟为食亡
(レンウェイツァイスー、ニアオウェイシーワン)

人は欲のために危険を冒しがちだという、皮肉を込めた警句です。

金があれば、鬼にも石臼を挽かせられる

有钱能使鬼推磨
(ヨウチエンノンシーグイトゥイモー)

地獄の沙汰も金次第
金の力は絶大で、どんな不可能事も可能にするという意味です。

一分の金が、英雄をも倒す

一分钱难倒英雄汉
(イーフェンチエンナンダオインシオンハン)

どんなに立派な人物でも、わずかな金の不足で立ち往生することがあるという意味。宋の趙匡胤にまつわる逸話が由来として語られることもありますが、史実かどうかは定かではありません。

【特集記事】
世界の有名なことわざ

スポンサーリンク

コメント