心を開かず、冷ややかな視線だけが交錯する。
歩み寄る余地もなく、ただ相手の存在を疎ましく思い、遠ざけようとする。
そのような、互いに敵意を抱きねたみ憎み合う様子を「反目嫉視」(はんもくしっし)と言います。
言葉の意味と成り立ち
「反目嫉視」とは、互いに敵意を持って対立し、相手をねたみ憎むような目で見ることです。
この言葉は、以下の二つの熟語が組み合わさって、強い拒絶のニュアンスを生んでいます。
- 反目(はんもく):仲が悪く、互いに睨み合って対立すること。
- 嫉視(しっし):ねたみの心を持って、憎らしく思う相手を見ること。
単なる仲違いではなく、心の中に渦巻く「ねたみ」や「そねみ」が行動や視線にまで現れている、非常に険悪な不和の状態を指します。
使い方・例文
「反目嫉視」は、特定の個人間だけでなく、派閥や組織、地域社会における根深い対立を表現する際にも用いられます。
感情がこじれ、修復が困難なほど敵対している文脈に適しています。
例文
- 些細な誤解から二人は反目嫉視する関係になった。
- 出世争いが激しく、同僚同士が反目嫉視している。
- 利害の対立が深まり、ついに反目嫉視の様相を呈した。
- 派閥争いの中で、互いに反目嫉視する空気が漂っていた。
類義語・関連語
「反目嫉視」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 犬猿の仲(けんえんのなか):
非常に仲が悪く、顔を合わせれば争うような間柄。 - 相食む(あいなむ):
同じ仲間同士で、互いに争い、傷つけ合うこと。 - 角突き合わせる(つのつきあわせる):
互いに敵意を抱いて、激しく争うこと。
対義語
「反目嫉視」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 和衷協同(わちゅうきょうどう):
心を一つにして、互いに協力し合いながら物事を行うこと。 - 融和(ゆうわ):
互いのわだかまりが解けて、調和がとれること。 - 協調(きょうちょう):
互いに譲り合い、力を合わせて物事を行うこと。
英語表現
「反目嫉視」を英語で表現する場合、敵意(Hostility)と嫉妬(Jealousy)の二つの要素を組み合わせるのが一般的です。
Jealousy and hostility
直訳:嫉妬と敵意
意味:反目嫉視
解説:名詞を並べて、対立とねたみが入り混じった状態を端的に示す表現です。
- 例文:
There is deep jealousy and hostility between the two factions.
二つの派閥の間には、深い反目嫉視がある。
View each other with enmity and envy
意味:互いを敵意と羨望の目で見つめる。
解説:「Enmity(敵意)」と「Envy(ねたみ)」という言葉を使い、互いに憎しみ合っている動的な状態を表現できます。
- 例文:
The rivals view each other with enmity and envy.
ライバル同士は互いに反目嫉視し合っている。
まとめ
「反目嫉視」は、ねたみと敵意が絡み合い、互いを遠ざけ合う人間関係の最も破壊的な状態を表す言葉です。
こうした感情はしばしば冷静な判断力を奪い、当事者だけでなく周囲をも巻き込む不和の種となります。
厄介なのは、その感情が生まれた当初は些細なすれ違いや小さなねたみに過ぎなかったものが、放置するうちに取り返しのつかない対立へと発展してしまうことです。
負の感情に気づいた早い段階で立ち止まり、その正体を見極めることが、「反目嫉視」という最悪の状態を避けるための第一歩と言えるでしょう。







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