天災は忘れた頃にやってくる

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天災は忘れた頃にやってくる
(てんさいはわすれたころにやってくる)
異形:災害は忘れた頃にやってくる

17文字の言葉て・で」から始まる言葉
天災は忘れた頃にやってくる 意味・使い方

自然の猛威を前にして強い危機感を抱いても、平穏な日々が続くうちにその記憶は薄れ、警戒心もいつしか緩んでいくものです。
そして、人々がすっかり油断した頃を見計らうように、再び災害は訪れる。
そんな人間の性と自然の厳しさを表したのが、
「天災は忘れた頃にやってくる」(てんさいはわすれたころにやってくる)という言葉です。

意味

「天災は忘れた頃にやってくる」とは、自然災害は過去の記憶が薄れ、人々が油断している時に再び起こるものだという戒めです。
時間が経てば恐怖を忘れてしまう人間の性質を指摘し、常日頃からの防災意識の重要性を説いています。

語源・由来

この言葉は、物理学者で随筆家の寺田寅彦(てらだ とらひこ)の名言として広く知られています。
ただし、彼の著作の中にこの一文そのものは存在しません。
寅彦は『天災と国防』などの随筆で、人間は次の災害が来る頃には前の教訓を忘れてしまうという防災の重要性を繰り返し述べていました。
この思想を、弟子の物理学者・中谷宇吉郎が自身の随筆の中で「寅彦先生の言葉」として紹介したことで、警句として広まったとされています。

使い方・例文

自然災害に対する防災意識の低下を戒めるために使われます。
また転じて、日常やビジネスにおけるトラブルに対する油断への警告として使われることもあります。

  • 天災は忘れた頃にやってくるので、非常用持ち出し袋を点検する。
  • システム障害において、天災は忘れた頃にやってくると痛感した。

類義語・関連語

「天災は忘れた頃にやってくる」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし):
    普段から準備を整えておけば、いざという時に心配することはないということ。
  • 治に居て乱を忘れず(ちにいてらんをわすれず):
    平和で安全な時であっても、万一の事態に対する備えを忘れてはならないということ。
  • 喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる):
    苦しい経験も、過ぎ去ってしまえばその辛さを忘れてしまうこと。

英語表現

「天災は忘れた頃にやってくる」を英語で表現する場合、以下のフレーズが適しています。

Disasters strike when you least expect them.

意味:災害は最も予期していない時に襲ってくる
「when you least expect it(一番予想していない時に)」というフレーズを用いた、日本のことわざに非常に近いニュアンスの表現です。

  • 例文:
    We must be prepared, because disasters strike when you least expect them.
    天災は忘れた頃にやってくるため、備えておかなければならない。

Danger comes when it is least expected.

意味:危険は最も予期されていない時にやってくる
災害に限らず、危険やトラブル全般に対する油断を戒める一般的な表現です。

この言葉が生まれた時代と、今

寺田寅彦がこの言葉の礎を築いた時代、災害と災害の間には記憶が風化するほどの時間がありました。
しかし気候変動が進む現代では、豪雨や大型台風が毎年のように各地を襲い、「忘れる間もなくやってくる」という状況も珍しくなくなっています。
近年の防災啓発の現場では、実際にそのような表現が使われることもあります。
この言葉が生まれた背景を知ることは、現代における防災意識を改めて問い直すきっかけにもなるでしょう。

まとめ

「天災は忘れた頃にやってくる」は、自然の脅威そのものだけでなく、人間は忘れる生き物であるという弱点を指摘した言葉です。
人間が恐怖を忘れるのは精神の平穏を保つための防衛本能でもありますが、防災においてはその本能が仇となります。
自らの忘れやすさを自覚し、記憶に頼らない備えの仕組みを作ることが、現代における最良の対策と言えるかもしれません。

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