一人の人間が、学問や芸術、運動など複数の異なる分野において、いずれも極めて優れた能力を発揮している状態。
このような様子を表すのが、「多芸多才」(たげいたさい)です。
意味
「多芸多才」とは、数多くの技術や技能を持ち、さらに豊かな才能に恵まれているという意味です。
単に多くの物事をこなせるだけでなく、それぞれの専門分野において非常に高い水準の能力を発揮している状態を表します。周囲から能力を高く評価され、称賛の意を込めて使われるポジティブな言葉です。
語源・由来
「多」は数が多いこと、「芸」は芸術や学問などの技能、「才」は生まれ持った優れた能力を指します。
これらそれぞれの漢字が持つ意味を直接組み合わせ、数多くの技能と豊かな才能を兼ね備えた人物を表現した四字熟語です。
古くから一つの専門分野にとどまらず、多様な領域で卓越した活躍を見せる人物を褒め称える言葉として広く定着しました。
使い方・例文
「多芸多才」は、特定の人物の能力の高さや幅広さを評価し、称賛する場面で使われます。
ビジネスや学問、芸術、日常生活など、ジャンルを問わずマルチに活躍する相手に対して用います。
- 彼はプログラミングだけでなくデザインもこなし、まさに多芸多才なクリエイターだ。
- 父は料理も日曜大工もプロ並みで、多芸多才な人物として周囲の尊敬を集めている。
- 俳優業の傍らで小説家としても高い評価を得ている彼女は、多芸多才の代表格である。
類義語・関連語
「多芸多才」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 多才多能(たさいたのう):
多くの才能と優れた能力を併せ持っている様子。 - 八面六臂(はちめんろっぴ):
多方面において、一人で何人分もの目覚ましい活躍をすること。 - 才色兼備(さいしょくけんび):
優れた才能と美しい容姿の両方を兼ね備えている状態。 - 芸は身を助ける(げいはみをたすける):
一つの技能を身につけておけば、いざという時に生計を立てる助けになるということ。
対義語
「多芸多才」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 多芸は無芸(たげいはむげい):
多くのことに手を出しても、結局はどれも中途半端で専門性がない状態。 - 無芸大食(むげいたいしょく):
何の技能も持っていないのに、ただ食べる量だけは多いこと。 - 能なし(のうなし):
何の役に立つ能力も持っていないこと。
英語表現
versatile
意味:様々なスキルや役割をこなし、多方面に能力を発揮する状態。
- 例文:
She is a versatile actress who can handle both comedy and drama.
彼女はコメディもドラマもこなせる多芸多才な女優です。
multi-talented
意味:複数の異なる分野において、豊かな才能に恵まれている様子。
- 例文:
He is a multi-talented artist, skilled in painting, sculpture, and music.
彼は絵画、彫刻、音楽に長けた多芸多才な芸術家です。
レオナルド・ダ・ヴィンチが体現した「万能人」という理想
歴史上、「多芸多才」を象徴する概念として、ルネサンス期のヨーロッパで理想とされた「万能人」があります。
その代表格であるレオナルド・ダ・ヴィンチは、芸術から建築、科学まであらゆる分野に通じていました。
特定の専門分野にとどまらず、複数の領域で高い水準の能力を発揮する姿勢は、「多芸多才」という言葉を体現しています。
広く浅い状態を戒める日本の「多芸は無芸」とは対照的に、各分野を極めて統合した「万能人」のあり方は、「多芸多才」が持つ肯定的な意味合いを明確に示しています。






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