四字熟語

試行錯誤

(しこうさくご)

失敗を繰り返しながら、より良い解決策や目的への道筋を見つけ出していくこと。


6文字の言葉 / 「し・じ」から始まる言葉
試行錯誤 ことば
スポンサーリンク

意味

「試行錯誤(しこうさくご)」とは、新しい物事に取り組む際、さまざまな方法を試し、失敗を繰り返しながら目的達成へのより良い方法を見つけ出していくことを言います。
一度で正解にたどり着くことではなく、あえて「間違えること」を前提に、少しずつ改善を重ねていく建設的な過程を指します。
心理学の用語としては、迷路に入れた動物がえさまでの道を覚えていくように、本能や習慣のままに行動して失敗を重ねながら、だんだんと適応していくことをいいます。

  • 試行(しこう):実際に試してみること。
  • 錯誤(さくご):間違いや、やり損ない。

語源・由来

「試行錯誤」は、19世紀末にアメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが提唱した学習理論「trial and error」の訳語として広まりました。
彼は、空腹の猫を「問題箱」という仕掛けのある箱に入れ、脱出するまでの様子を観察しました。
猫は最初、やみくもに動き回って失敗を繰り返しますが、偶然仕掛けに触れて脱出に成功すると、次からは無駄な動きが減り、すぐに脱出できるようになります。
この「失敗を繰り返して学習するプロセス」が心理学の専門用語から一般に定着し、現在のように日常的な場面でも使われるようになりました。

使い方・例文

「試行錯誤」は、正解が一つではない課題や、未知の物事に粘り強く取り組むポジティブな文脈で用いられます。

例文

  • 「自分に合う勉強法を試行錯誤して、ようやく成績が上がった。」
  • 「家族が喜ぶ味を求めて、煮込み料理のスパイスを試行錯誤する。」
  • 「発表資料の見やすさを追求し、レイアウトを試行錯誤した。」
スポンサーリンク

類義語・関連語

「試行錯誤」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 悪戦苦闘(あくせんくとう):
    非常に困難な状況の中で、必死になって努力すること。
  • 七転八起(しちてんはっき):
    何度失敗してもくじけず、再び立ち上がって奮起すること。
  • 暗中模索(あんちゅうもさく):
    手がかりのない中で、あれこれと解決策を探ってみること。
  • 紆余曲折(うよきょくせつ):
    物事がすんなり運ばず、事情が複雑に絡み合っていること。

対義語

「試行錯誤」とは対照的なアプローチを示す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 熟慮断行(じゅくりょだんこう):
    十分に考え抜いた上で、思い切って実行に移すこと。
  • 用意周到(よういしゅうとう):
    準備に手落ちがなく、隅々まで配慮が行き届いていること。

英語表現

「試行錯誤」を英語で表現する場合、語源となった以下の表現が最も一般的です。

trial and error

意味:試行錯誤、失敗を繰り返して解決策を得ること

Success is often the result of long trial and error.
(成功は、しばしば長い試行錯誤の結果からもたらされる。)

明治の心理学書は「試行と錯誤」と書いた

明治42年(1909)に出た、東京帝国大学の心理学者元良勇次郎もとらゆうじろうの『論文集』には、「試行と錯誤の方法」という言い方が出てきます。
元良はこれを生物学者の用語として紹介し、「試みにやつて見て、誤れば又やつて見る」(試しにやってみて、誤ったらまたやってみる)と言い換えています。
そのうえで、人が品性を磨く修養の方法としても、この「試行と錯誤」を勧めています。

大正4年(1915)の心理学書『新撰心理学』では、見出しは「試行と錯誤」、本文には「試行錯誤法」という四字の形が並んで出てきます。
この本は、数学の問題でいくつかの証明法を考え、どれが当たっているかを実地に確かめるのも「一種の試行錯誤法」だと説明しています。
動物の学習を説明する言葉だった「試行錯誤」は、このころにはすでに、人が問題を解くときの工夫にも当てはめられていました。

スポンサーリンク

コメント

URLをコピーしました