高を括る

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慣用句
高を括る
(たかをくくる)

6文字の言葉た・だ」から始まる言葉

「これくらいなら、傘がなくても大丈夫だろう」と空模様を甘く見て、結局ずぶ濡れになってしまう。
あるいは、自分ならまだ大丈夫だと体力を信じ込み、気づけば取り返しのつかないほど疲れ果てている。
物事の程度や相手の実力を実際よりも低いものと決めつけ、安易に予測を立ててしまう。
そんな心の油断を、「高を括る」(たかをくくる)と言います。
自分の勝手な「枠」の中に相手を閉じ込めてしまう、危うい慢心を指す言葉です。

意味

「高を括る」とは、物事の程度や相手の実力を、大したことはないと低く見積もることを意味します。
自分の予測の範囲内に収まるものだと決めつけ、安易に構える様子を指します。

  • (たか):数量、程度、価値。
  • 括る(くくる):一つにまとめる、ひもで縛る。

「自分の見立てはこれくらいだ」と一括りに制限してしまうことから、相手を侮るニュアンスが含まれます。
多くの場合、その予測が外れて失敗を招くという否定的な文脈で使われます。

語源・由来

「高を括る」の語源は、安土桃山時代から江戸時代にかけて行われた検地制度の「石高(こくだか)」に由来します。

当時、土地の価値や生産性は、米の収穫量である「高」で表されていました。
相手の領地の「高」が分かれば、そこから動員できる兵力や経済力もおよその予測がつきます。
そこから、「相手の価値(高)はこの程度だと一括り(括る)にして判断する」という意味で使われるようになりました。

本来は正確な調査に基づく冷静な計算を指していましたが、現代では「たぶんこれくらいだろう」という主観的で安易な予測、あるいは相手を軽んじる態度を指す言葉として定着しました。

使い方・例文

自分の判断ミスを反省する場面や、他者の甘い見通しを注意する場面で使われます。
「慣れ」が生じている時にこそ、使われることが多い言葉です。

例文

  • 相手は格下のチームだと「高を括って」いたせいで、思わぬ苦戦を強いられた。
  • 自分の体力ならまだ大丈夫だと高を括って無理を続け、ついに体調を崩してしまった。
  • 小雨だからと「高を括って」傘を持たずに出かけたら、途中で土砂降りに遭った。
  • 締め切りまでまだ余裕があると高を括っていたが、予想外のトラブルで間に合わなくなった。

誤用・注意点

「高を括る」は、相手を「自分より下に見る」場合にのみ使われます。
「高く評価する」という意味で使うのは誤りです。

また、「腹を括る(はらをくくる)」という言葉と混同しないよう注意が必要です。
「腹を括る」は「覚悟を決める」という意味であり、心の持ちようが全く異なります。

目上の人に対して「部長は私の実力を高を括っていらっしゃいますね」などと使うのは、相手を批判する大変無礼な言い回しになるため、控えなければなりません。

類義語・関連語

「高を括る」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 侮る(あなどる):
    相手を自分より低いものとして軽蔑する、軽く見る。
  • 舐めてかかる(なめてかかる):
    相手を自分より弱い、あるいは簡単なものだと思って、不真面目な態度で接すること。
  • 甘く見る(あまくみる):
    事態の深刻さや相手の力を過小評価すること。

対義語

「高を括る」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 一目を置く(いちもくをおく):
    相手の能力が優れていることを認め、敬意を払うこと。
  • 用心する
    物事を甘く見ず、細心の注意を払って備えること。
  • 重んじる
    物事の価値を高く評価し、大切に扱うこと。

英語表現

「高を括る」を英語で表現する場合、以下の表現が一般的です。

Take someone/something lightly

  • 意味:「誰か(何か)を軽くあしらう」
  • 解説:深刻に受け止めず、たいしたことはないと判断するニュアンスで、「高を括る」に最も近い慣用表現です。
  • 例文:
    You should not take your opponent too lightly.
    (対戦相手のことをあまり高を括らないほうがいい。)

Underestimate

  • 意味:「過小評価する」
  • 解説:実力や難易度を実際よりも低く見積もることを指す、客観的かつ明確な表現です。
  • 例文:
    I underestimated the time it would take to finish this work.
    (この仕事を終えるのにかかる時間を高を括っていた(過小評価していた)。)

まとめ

私たちは、慣れや経験が増えるほど、物事の結末を勝手に予測して「高を括る」ようになりがちです。
しかし、現実は常に変化し、私たちの予測を裏切る側面を持っています。
自分の立てた狭い「枠」の中に相手を閉じ込めず、常に新鮮な目で状況を見つめ直す。
そんな謙虚さを持ち続けることが、思わぬ落とし穴を避けるための最善の策と言えるかもしれません。

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