褒められて素っ気なく返しながらも、内心では嬉しさを隠しきれない。
そんな控えめな喜びを表すのが、「満更でもない」(まんざらでもない)です。
意味
「満更でもない」とは、内心では嬉しく、決して悪くはないと感じている様子という意味です。
表面上は素っ気ない態度を取っていても、実際には満足していたり喜んでいたりする、隠しきれない本心を表します。
褒め言葉やお世辞に対して、つい頬がゆるんでしまうような場面でよく使われます。
- 満更(まんざら):必ずしも、あながち。
語源・由来
「満更でもない」は、「満更」という言葉に打ち消しの「でもない」が続いた表現です。
「満更」は「あながち」「必ずしも」という意味を持つ言葉で、漢字表記は当て字とされ、特定の書物に由来するものではなく、正確な語源ははっきりとは分かっていません。
「満更悪くはない」という言い方が縮まって、悪くないどころか実はまんざら嬉しいものだ、という肯定的なニュアンスを込めて使われるようになったと考えられています。
使い方・例文
「満更でもない」は、素っ気ない態度の裏に本心の喜びがのぞく場面で使われます。
- お世辞だと分かっていても、彼女は満更でもない様子だった。
- からかわれても、彼は満更でもない顔をしていた。
- 息子に褒められて、父は満更でもない表情を浮かべた。
類義語・関連語
「満更でもない」と近い意味やニュアンスで使われる言葉には、以下のようなものがあります。
- まんざらでもなさそう:
「満更でもない」の推量を含んだ言い方。 - まんざら悪くない:
思っていたよりも悪くないと感じること。
英語表現
not entirely displeased
表面上は平静を装いつつも、内心では悪くないと感じている様子を表す表現。
She seemed not entirely displeased with the compliment.
(彼女はその褒め言葉に満更でもない様子だった。)
素直に喜べない気持ちを許す言葉
「満更でもない」という表現がよく使われるのは、日本語には「嬉しい」と正面から言い切ることをためらう場面が多いからだといえます。
謙遜や照れから素直に喜びを表に出せないとき、この言葉を使えば「悪くない」という控えめな言い方をしながらも、実は嬉しいという本心をやんわりと伝えることができます。
感情を100パーセント肯定する言葉ではなく、あえて二重否定に近い形を取ることで、照れくささを保ちながら喜びをにじませる、日本語らしい間接的な表現の一つです。









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