親思う心にまさる親心

ことわざ
親思う心にまさる親心(おやおもうこころにまさるおやごころ)
異形:親思う心に勝る親心

17文字の言葉」から始まる言葉
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「親思う心にまさる親心」の意味・教訓

「親思う心にまさる親心」は、子どもが親を思いやる気持ちがどれほど強くても、親が子どもを思う気持ちの方がさらに深く大きいということを意味しています。

このことわざは、親の子に対する無条件の愛情と献身の深さを表現しています。
子どもは成長するにつれて親への感謝や思いやりの気持ちを抱くようになりますが、親の子どもへの愛情は子どもが生まれた瞬間から始まり、時に自己犠牲をも厭わない深いものです。
この非対称な愛情の深さを伝える教えとなっています。

「親思う心にまさる親心」の語源

このことわざの明確な語源は特定されていませんが、日本の伝統的な家族観や儒教的な親子関係の考え方が反映されていると考えられます。

日本の古来からの文化では、親が子を養い育てることは当然の義務とされ、その愛情は無償のものとして尊ばれてきました。
このような文化的背景から、親子間の愛情の非対称性を表したこのことわざが生まれたと考えられます。

「まさる」は「勝る」で、比較して優れているという意味です。

「親思う心にまさる親心」が使われる場面と例文

このことわざは、親子関係について語る時や、親の愛情の深さを表現したい時によく使われます。
特に、子が独立して初めて親の苦労や愛情の深さを理解した場面や、自分が親になって初めて実感する親心を表現する際に用いられます。

例文

  • 子育ての大変さを実感して初めて、親思う心にまさる親心という言葉の真意が理解できた。
  • 独立して初めて親の苦労が分かった気がするが、それでも親思う心にまさる親心なのだろう。
  • 自分の子どもが生まれて、両親の愛情の深さを実感した。まさに親思う心にまさる親心だと思う。
  • どれだけ親孝行をしても報いきれないのは、親思う心にまさる親心だからこそだ。

「親思う心にまさる親心」の類義語

  • 親の恩は山より高く海より深し:親の子に対する愛情や恩は、計り知れないほど大きいという意味。
    「親思う心にまさる親心」と同様に親の愛情の深さを強調する。
  • 親の七光:親や先祖の名声や功績の恩恵を子孫が受けること。
    「親思う心にまさる親心」が親の愛情を強調するのに対し、こちらは社会的な影響力に焦点を当てている。
  • 子は親の鏡(こはおやのかがみ):子どもの言動や性格に親の影響が表れるという意味。
    「親思う心にまさる親心」が感情面を強調するのに対し、こちらは教育や環境の影響を示す。

「親思う心にまさる親心」の対義語

  • 恩を仇で返す:受けた恩義に対して逆に害を与えること。
    親の愛情に応えず、傷つける行為を表す点で「親思う心にまさる親心」の対極にある考え方。
  • 親不孝:親に対して孝行の道に反する行為をすること。
    「親思う心にまさる親心」が親子の愛情の理想を表すのに対し、こちらはその崩壊を意味する。
  • 棄老(きろう):昔、老人を山などに捨てて見殺しにする習慣。
    「親思う心にまさる親心」が示す親子の絆とは全く相反する概念。

「親思う心にまさる親心」の英語での類似表現

  • A mother’s love outweighs a child’s gratitude.
    意味:母親の愛は子どもの感謝の気持ちよりも重い。
    「親思う心にまさる親心」とほぼ同じ意味を持つ表現。
  • The love of a parent for a child knows no bounds.
    意味:親の子に対する愛情に境界はない。
    親の愛情の無限性を強調する点で「親思う心にまさる親心」に通じる。
  • No matter how old you are, you’re still your parent’s child.
    意味:どれだけ年を取っても、あなたは親にとってはまだ子ども。
    親の視点からの永続的な愛情を表現している点で「親思う心にまさる親心」と共通する。

「親思う心にまさる親心」に関する豆知識

このことわざは、時に「親思う心に勝る親心」と「勝る」の漢字を使って表記されることもあります。
どちらも意味は同じですが、「まさる」とひらがなで表記する方が一般的です。

また、親鸞の言葉「親の心は、子のために思ひ、子の心は我がために思ふ」がこのことわざの考え方に近いとされることもあります。
親は子のことを思い、子は自分のことを思う—という親子間の愛情の非対称性を表現しています。

まとめ – 永遠に変わらない親子の絆

「親思う心にまさる親心」は、親子関係における愛情の非対称性を端的に表現したことわざです。
子どもがどれほど親を思いやっても、親の子に対する愛情の深さと無条件さにはかなわないという普遍的な真理を伝えています。
現代社会が変化しても、親子の絆の本質はこのことわざが示すように変わらないものであり、それは人間関係の基盤となる重要な価値観なのです。

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