意味
親思う心にまさる親心は、子どもが親を思いやる気持ちよりも、親が子どもを思う気持ちの方がさらに深く大きいという意味です。
語源・由来
幕末の志士である吉田松陰が、安政の大獄で処刑される直前に故郷の家族宛てに書き残した手紙(永訣書)にある和歌、「親思ふこころにまさる親ごころけふの音づれ何ときくらん」が由来です。
自身の死の知らせを聞いた親の悲しみを深く案じる言葉として知られています。
使い方・例文
「親思う心にまさる親心」は、親の深い愛情や献身を実感した場面で使われます。
- 自分が親の立場になって初めて、親思う心にまさる親心を痛感している。
- 故郷の母から届いた小包を開け、親思う心にまさる親心に胸を打たれた。
- どれだけ恩返しをしても足りないと感じるのは、まさに親思う心にまさる親心だからだ。
類義語・関連語
「親思う心にまさる親心」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 親の心子知らず(おやのこころこしらず):
親が子を思う深い愛情や心配に気づかず、子が勝手気ままに振る舞う様子。 - 親の恩は山より高く海より深し(おやのおんはやまよりたかくうみよりふかし):
親が子どもを育ててくれた恩義は、他と比較できないほど広大であるというたとえ。 - 慈母の恩(じぼのおん):
我が子を深く愛し、慈しむ母親から受ける、海よりも深く山よりも高い恩情のこと。
英語表現
The love of parents for their children knows no limits
意味:親が子に注ぐ愛情にはいかなる限界も境界もないという事実
My parents worked two jobs to send me to college. It’s true that the love of parents for their children knows no limits.
(大学に通わせるために二つの仕事を掛け持ちしてくれた両親を思うと、親の愛に限りはないと心から感じます。)
No one loves you like your parents do
意味:自分を最も深く愛しているのは誰よりも自分の親であるという真理
After all these years, I’ve come to realize that no one loves you like your parents do, quietly, without asking for anything in return.
(長い年月を経て、親というのは何も求めず静かに愛し続けてくれる存在なのだと気づきました。)
死を目前にした獄中で、両親を案じて詠んだ歌
安政の大獄によって江戸小伝馬町の牢獄に捕らわれていた吉田松陰は、処刑を目前に控えた安政6年(1859年)、父母・兄・叔父ら肉親に宛てて別れの手紙をしたためました。
後に「永訣の書」と呼ばれるこの手紙に記されていたのが、この歌の原型である「親思ふこころにまさる親ごころ けふの音づれ何ときくらん」です。
自らの死を前にしながら、松陰が案じていたのは両親がこの知らせをどう受け取るかということでした。
「自分が親を思う気持ちより、親が自分を思う気持ちの方がはるかに深い。
今日の報せを聞いて、どれほど心を痛めるだろうか」。
その一節が後に独立し、親の愛の深さを語る言葉として広まりました。










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