故事成語 慣用句

万緑叢中紅一点

(ばんりょくそうちゅうこういってん)

多くの平凡なものの中に、ひときわ目立つ優れたものが一つだけ存在すること。


16文字の言葉 / 「は・ば・ぱ」から始まる言葉
万緑叢中紅一点 ことば
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意味

「万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)」とは、ありふれたものばかりが並ぶ中に、際立って優れたものやひときわ目を引く存在がただ一つだけ交じっているという意味です。
特に、大勢の男性の中に女性が一人だけ交じっている様子を指して使われることが多い言葉です。

  • 万緑(ばんりょく):見渡す限り緑に覆われていること。
  • 叢中(そうちゅう):草木が生い茂る中。
  • 紅一点(こういってん):多くの中にただ一つ、紅色のものがあること。

語源・由来

「万緑叢中紅一点」は、北宋の詩人・王安石おうあんせきの詩の一節「万緑叢中紅一点、動人春色不須多」に由来するという説が広く知られています。
生い茂ったざくろの枝葉の中に、花が一輪だけ紅く咲いている情景を詠んだもので、「人の心を動かす春の彩りは、何も多くを必要としない」という意味を持ちます。
伝わっているのはこの二句だけです。
作者についても、宋代の詩話には、王安石が翰林院のざくろを見て詠んだとする記録のほか、唐の人の詩とする説や、弟の王安国おうあんこくの作とする説も書き留められています。
この一節を略した「紅一点」という言葉も、広く使われています。

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使い方・例文

「万緑叢中紅一点」は、多数の中で唯一目立つ存在を形容する際に使われます。

  • 男性ばかりの会議室で、彼女は万緑叢中紅一点の存在感を放っていた。
  • 地味な色の花壇の中、その一輪はまさに万緑叢中紅一点だった。
  • 技術者ばかりの部署に、万緑叢中紅一点というべき新人が加わった。

類義語・関連語

「万緑叢中紅一点」を略した言葉に、次のものがあります。

  • 紅一点(こういってん):
    多くの男性の中に、女性が一人だけ交じっていること。

「万緑叢中紅一点」、王安石の詩文集に見当たらず

「万緑叢中紅一点」は、北宋の政治家・詩人である王安石おうあんせきが詠んだ「石榴」の詩の一節だと広く伝えられています。
「生い茂った緑の枝葉の中に、ただ一輪の紅い花(ざくろの花)が咲いている、人の心を動かす春の彩りは、多くを必要としない」という意味の二句です。

ただし、この二句が実際に王安石おうあんせきの詩集に収められているかというと、現在に伝わる王安石おうあんせきの詩文集にはこの詩は見当たらず、宋代の詩話に書き留められているだけだという指摘があります。
その詩話でも、王安石の作とする記録と、唐の人の詩とする記録が並んでいます。
誰が最初にこの句を詠んだのかは、実のところはっきりしていません。

出典があいまいなまま、緑の中に映える紅一点という鮮やかな対比のイメージだけが独り歩きし、時代を超えて多くの人に愛される言葉として定着していきました。

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