罪の重さが、一度の死では償いきれないほど深い、そんな強い断罪の意識を表すのが、「万死に値する」(ばんしにあたいする)です。
意味
万死に値するとは、犯した罪や過ちが、何度死んでも償いきれないほど重いという意味です。
実際に何度も死ぬことはできないため、罪の重大さを強調する比喩的な表現です。
- 万死(ばんし):一万回死ぬこと、転じて非常に重い罪。
- 値する(あたいする):それに見合うだけの価値がある。
語源・由来
「万死に値する」は、中国古典に見られる「罪該万死」(罪は万死に該る)という漢文表現に由来するという説があります。
「該」は「あてはまる、相当する」という意味で、犯した罪が一万回死んでも償いきれないほど重いことを表しました。
中国では古くから、皇帝や君主に対する重罪を表現する際にこうした誇張表現が用いられていたとされ、日本にも漢文の素養とともに伝わり、深刻な過ちを断じる言葉として定着したと考えられています。
使い方・例文
「万死に値する」は、極めて重い過ちや裏切りを断じる場面で使われます。
- 部下を裏切ったその行為は、万死に値すると上司は激怒した。
- 彼の犯した罪は、万死に値するものだと世間は非難した。
- 信頼を踏みにじった行為は、万死に値すると厳しく糾弾された。
英語表現
- deserve a thousand deaths:
罪が非常に重く、償いきれないほどであることを表す表現。
誇張表現に込められた、中国古典の修辞法
中国の古典には、罪の重さを誇張して表現する言い回しが数多く見られます。
「万死」もその一つで、実際の死刑の回数ではなく、償いようのない重大さを印象づけるための修辞です。
日本語に取り入れられた後も、この誇張表現ならではの強い糾弾のニュアンスは失われず、現代でも極めて深刻な過ちを断じる場面でのみ使われる、重みのある言葉であり続けています。









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