意味
知勇兼備とは、物事を的確に見抜く聡明さと、危険を恐れず立ち向かう勇ましさとを兼ね備えていることを意味します。
知恵だけでも勇気だけでもなく、両方が揃って初めて成し得る判断力と行動力への称賛が込められた言葉です。
- 知(ち):物事を的確に判断する知恵。
- 勇(ゆう):困難に立ち向かう勇気。
- 兼備(けんび):二つ以上を併せ持つこと。
語源・由来
知勇兼備は、中国前漢の歴史家、司馬遷が著した『史記』の中で、趙の家臣藺相如を評した言葉に由来するとされています。
藺相如は、強国秦の圧力に屈せず知恵を働かせて宝玉「和氏の璧」を無事に持ち帰った人物として知られ、その後の外交の場でも冷静な判断力と大胆な行動力を発揮しました。
知恵と勇気をあわせ持つ藺相如のような人物を称える言葉として、「知勇兼備」が使われるようになったという説があります。
使い方・例文
知勇兼備は、優れた判断力と行動力を兼ね備えた人物を称賛する場面で使われます。
- 知勇兼備の名将として、後世まで語り継がれている。
- 危機に際して冷静に決断した彼は、まさに知勇兼備の人物だ。
- 知勇兼備な性格が、彼女をチームのリーダーに押し上げた。
類義語・関連語
知勇兼備と同様に、知恵と勇気を兼ね備えていることを表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 知勇双全(ちゆうそうぜん):知恵と勇気の両方に欠けがないこと。
- 文武両道(ぶんぶりょうどう):学問と武芸の両方に秀でていること。
「知勇兼備」と「知勇双全」の違い
どちらも知恵と勇気を兼ね備えることを表す、ほぼ同じ意味の四字熟語です。
「兼備」は二つの資質をあわせ持つことに重点を置き、「双全」はその両方に欠けがなく完全であることを強調するという、わずかなニュアンスの違いがあります。
| 語句 | 強調点 |
|---|---|
| 知勇兼備 (ちゆうけんび) | 二つの資質を併せ持つこと |
| 知勇双全 (ちゆうそうぜん) | 両方に欠けがなく完全なこと |
英語表現
wise and courageous
「賢明で勇敢な」という意味の表現で、知恵と勇気を兼ね備えた人物を評する際に使われるフレーズ。
The captain was known as a wise and courageous leader.
(その隊長は知勇兼備の指導者として知られていた。)
藺相如を称えた『史記』の一句
「知勇兼備」は、中国戦国時代の趙の家臣・藺相如を称える言葉として、『史記』藺相如伝の「賛」(伝記の末尾に付された著者・司馬遷の論評)に由来します。
藺相如は、秦の脅しに屈せず名器「和氏の璧」を秦から守り抜いた「完璧」の故事や、澠池の会で秦王に対等の礼を求めた交渉力で知られる一方、廉頗将軍との対立を国益のために自ら避けた人物としても知られています。
こうした藺相如の働きを踏まえ、司馬遷は知恵と勇気をあわせ持つ人物として彼を評価し、この評言がのちに「知勇兼備」という四字熟語として定着しました。











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