羊質虎皮

外見は虎のように勇ましく見えても、実質は羊のように臆病で弱々しいこと。 個別解説
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見た目の勇ましさに反して、いざという時に肝心の中身が伴わない、そんな見掛け倒しを表すのが、「羊質虎皮」(ようしつこひ)です。

意味

羊質虎皮とは、外見は虎のように勇ましく見えても、実質は羊のように臆病で弱々しいことという意味です。
見かけの立派さと、内面の弱さとのギャップを皮肉る言葉です。

  • 羊質(ようしつ):羊のような、気弱で頼りない性質。
  • 虎皮(こひ):虎の皮をまとった、勇ましく見える外見。

語源・由来

「羊質虎皮」は、前漢の学者・揚雄ようゆうが著した思想書『揚子法言ようしほうげん』に由来するという説が有力です。
同書には、羊が虎の皮をかぶっていても、草を目にすれば食欲を覚え、狼の姿を見れば怯えてしまう、という趣旨の記述があります。
外見だけをどれほど取り繕っても、生まれ持った気質までは変えられないことを説いた一節が、後世「羊質虎皮」という言葉として広まった、とされています。

使い方・例文

「羊質虎皮」は、見かけの立派さに反して中身が伴わない人や物事を評する際に使われます。

  • 強気な発言も土壇場で怖じ気づくようでは、羊質虎皮と言われても仕方ない。
  • 肩書きだけは立派だが実務は頼りなく、羊質虎皮そのものだった。
  • 虎の意匠の鎧をまとっても、着る者が臆病では羊質虎皮の誹りを免れない。

類義語・関連語

外見と中身のギャップを表す言葉には、次のようなものがあります。

  • 羊頭狗肉(ようとうくにく):
    看板と実際の中身が違うこと。

「羊質虎皮」と「羊頭狗肉」の違い

どちらも見た目と中身の不一致を表しますが、対象が異なります。「羊質虎皮」は人の気性や勇気の見せかけを、「羊頭狗肉」は商品や看板など表示内容の偽りを指すのが基本的な使い分けです。

語句焦点由来
羊質虎皮
(ようしつこひ)
人の気性・勇気の見掛け倒し『揚子法言』
羊頭狗肉
(ようとうくにく)
商品・表示内容の偽り中国の故事

英語表現

  • All bark and no bite
    口先ばかりで実際には威圧的でも怖くないこと。
  • All hat and no cattle
    外見は立派でも実質が伴わないこと。

『法言』を書いた揚雄という人物

「羊質虎皮」の出典とされる『法言』の著者・揚雄は、前漢末から新にかけて活躍した学者です。
『論語』の問答形式を模倣し、儒教の立場から当時の学問や政治を批評したことで知られています。
華やかな弁舌や権威に流されず、物事の実質を見極めようとした揚雄の姿勢は、「羊質虎皮」という言葉そのものにも重なります。
見かけに惑わされない目を持つことの大切さは、二千年以上を経た今も色あせていません。

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