意味
「月夜の蟹(つきよのかに)」とは、やせて身のない蟹のことで、転じて、中身のないことのたとえです。
「身がない」を「中身がない」にかけたしゃれとして、人や物事を軽くからかうときに使われます。
- 月夜(つきよ):月が明るく照る夜。
- 蟹(かに):甲羅を持つ生き物。
語源・由来
「月夜の蟹」は、蟹の生態にまつわる言い伝えから生まれた言葉です。
月の明るい夜には、蟹は月の光を恐れて餌をあさらないため、身がやせてしまうといわれてきました。
このやせて身のない蟹を、中身のないもののたとえにした言葉です。
使い方・例文
「月夜の蟹」は、中身のないものを評する場面で使われます。
- あの店は看板ばかり立派で、まさに月夜の蟹だ。
- 肩書はすごいが実力が伴わず、月夜の蟹とやゆされた。
- 高級そうな外装なのに味は普通、月夜の蟹な店だった。
類義語・関連語
「月夜の蟹」と同様に、中身が伴わないことを表す言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
all show and no substance
見た目ばかりが立派で、中身が伴わない様子を表す表現。
The new restaurant is all show and no substance.
(その新しいレストランは見た目ばかりで中身がない。)
all bark and no bite
口先や態度ばかり大きくて、実力や行動が伴わない様子を表す表現。
Don’t worry about him, he’s all bark and no bite.
(彼のことは心配ない、口先ばかりで実際は何もしないから。)
身が痩せるのは月明かりのせいだけではない
蟹の身入りが薄くなる現象には、月明かりの言い伝えとは別に、生物学的な理由もあります。
蟹は成長のために殻を脱ぎ替える脱皮を繰り返しており、脱皮直後の個体は新しい殻を作るために栄養を使うため、身が少なく水っぽくなることが知られています。
実際の漁の現場でも、身入りの良し悪しは月齢よりも脱皮のタイミングや水温、産卵期に左右されることが多く、「月夜の蟹」という言い伝えは、当時の人々が体験的な観察を月の満ち欠けという分かりやすい目印に結びつけて語り継いだ結果と考えられます。











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