意味
「秋波を送る(しゅうはをおくる)」とは、相手の気を引きたくて、なまめかしい視線をそっと投げかけるという意味です。
もとは異性への色目を指しましたが、現代では相手に取り入ろうとする行為全般を指す表現としても使われます。
語源・由来
「秋波」とは、もともと中国語で秋の澄みきった水面の波を意味する言葉でした。
秋の水のように澄んで美しい目元を、美人の涼しげな瞳にたとえたことから、「秋波」が美しい目もとや流し目そのものを指す言葉として使われるようになりました。
そこに「送る」という動作が加わり、意味ありげな視線を相手に向けて気を引こうとするしぐさを表す慣用句として定着しました。
使い方・例文
「秋波を送る」は、色目を使う場面だけでなく、機嫌を取ろうとする行為全般を指す場面でも使われます。
- パーティー会場で、彼女はさりげなく彼に秋波を送っていた。
- 与党の政策に対し、野党の一部が秋波を送る姿勢を見せた。
- 新規顧客を獲得しようと、各社が消費者に秋波を送っている。
使うときの注意点
「秋波を送る」は、恋愛関係の色目に限らず、政治や商取引の場面で「機嫌を取る」「取り入ろうとする」という意味でも広く使われます。
ただし相手に媚びるような印象を与える表現のため、使う場面や対象を選ぶ必要があります。
類義語・関連語
- 色目を使う(いろめをつかう):
相手の気を引こうとして、意味ありげな視線を送ること。 - 秋波(しゅうは):
澄んだ美しい目もと、または色っぽい流し目。
英語表現
make eyes at someone
相手に色っぽい視線を送る、という意味の一般的な表現。
She kept making eyes at him across the room.
(彼女は部屋の向こうから彼に秋波を送り続けていた。)
give someone the eye
意味ありげな視線を送る、関心があることをほのめかす表現。
He gave her the eye during the meeting.
(彼は会議中、彼女に秋波を送っていた。)
中国の戯曲『西廂記』に出てくる「秋波」
中国の元の時代の戯曲『西廂記』(王実甫作)に、「秋波」を使ったせりふがあります。
旅の書生の張生は、寺で亡き宰相の娘の崔鶯鶯を見かけます。
鶯鶯は立ち去るとき、張生のほうを振り返ってから姿を消します。
張生はそのあとで「怎当他臨去秋波那一転」(去りぎわのあの流し目のひと振りに、どうして平気でいられよう)と歌い、鉄や石でできた人でも心を引かれる、と続けます。
ここでの「秋波」は、女性がちらりと向けた目つきそのものです。
「秋波を送る」の「秋波」も、この流し目のことを指しています。











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