意味
「減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人(へらぬものならかねひゃくりょうしなぬものならこはひとり)」とは、使ってもなくならないお金なら百両もあれば十分で、死ぬ心配がないなら子どもは一人で十分だという意味です。
何事も、必要な分だけあれば満ち足りる、というたとえとして使われます。
- 減らぬ(へらぬ):使っても減らないこと。
- 金百両(かねひゃくりょう):小判百枚ほどの大金。
- 死なぬ(しなぬ):命を落とす心配がないこと。
- 子は一人(こはひとり):跡継ぎとなる子ども一人。
語源・由来
はっきりとした出典は分かっていません。
前半の「減らぬものなら金百両」と後半の「死なぬものなら子は一人」は、同じ構造を繰り返す対句になっています。
前後を入れ替えて「死なぬものなら子一人、減らぬものなら金百両」とも言います。
使い方・例文
「減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人」は、欲を出してもきりがないことを諭す場面で使われます。
- 何でも欲しがる息子に、減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人だと諭した。
- 祖父はよく減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人と言い、欲張りを戒めた。
- 財産分けの席で減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人を思い出した。
英語表現
Enough is as good as a feast
「必要なだけあれば、ご馳走と同じくらい満足できる」という意味の英語のことわざ。
必要な分だけあれば足りるという、本句と共通する考え方。
I don’t need a mansion, just a small house. Enough is as good as a feast.
(大きな家はいらない、小さな家で十分だ。足るを知ることが一番のごちそうだ。)
「多いほど良い」とは限らない、金と子を並べたことわざの発想
「減らぬものなら金百両、死なぬものなら子は一人」は、使っても減らないなら金は百両もあれば十分、死なないと決まっているなら子は一人で十分だ、という意味のことわざです。
「もし〜なら」という仮定を挟むことで、実際には金は使えば減り、子は病や事故で命を落とす可能性があるという現実を、逆説的に浮かび上がらせています。
金銭や子への際限のない欲を戒める言葉として、対照的な二つの例を並べたところにこの言葉の工夫があります。










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