意味
「麗人(れいじん)」とは、気高い美しさをたたえた女性を意味する言葉です。
華やかさだけでなく、堂々とした気品や凛とした佇まいを含意する言葉として使われます。
語源・由来
「麗」という漢字は「うるわしい、美しい」という意味を持ち、古くから容姿の美しさを表す言葉として使われてきました。
「麗人」という言葉が広く世に知られるきっかけとなったのが、「男装の麗人」という呼び名です。
作家・村松梢風(むらまつしょうふう)が、清朝の王女でありながら男装をして活動した川島芳子(かわしまよしこ)を主人公にした小説を発表し、その中で使われた「男装の麗人」という表現が評判となりました。
これによって「麗人」は、性別を超えた凛々しさと美しさを兼ね備えた人物を指す言葉として、広く定着していきました。
使い方・例文
「麗人」は、容姿の美しさとともに、凛とした気品を讃える場面で使われます。
- 男性用のスーツを着こなす彼女の姿は、まさに麗人という言葉がふさわしかった。
- 舞台に登場した女優は、観客を魅了する麗人そのものだった。
- 歴史書には、時代を超えて語り継がれる麗人の逸話が残されている。
類義語・関連語
- 佳人(かじん):
容姿が美しく、品格のある女性。 - 凛とした美しさ(りんとしたうつくしさ):
気高く引き締まった印象を与える美しさ。
「麗人」はもともと、唐の詩人が描いた曲江のほとりの美女たちを指す言葉だった
「麗人」は、8世紀半ば、唐の詩人・杜甫が書いた「麗人行」という詩に由来するとされる言葉です。
この詩は、上巳の節句に長安の南を流れる曲江のほとりで水遊びをする美女たちの様子を描いたもので、贅を尽くした宴の様子は楊貴妃の姉たちを主な対象として描かれています。
実はこの詩、単なる美女礼賛の作品ではありません。
当時、楊貴妃の縁者として権勢を誇っていた楊国忠ら一族のぜいたくや驕りを、華やかな宴の描写を通じて婉曲に諷刺する意図があったとも読まれています。
直接的な非難の言葉を一切使わず、豪奢な情景を丹念に描き切ることで、かえって批判の鋭さを際立たせる手法は、杜甫の詩の巧みさを物語っています。
「麗人」という言葉の背後には、華やかさだけでなく、こうした時代批評の視線も込められていたことになります。










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