四字熟語 故事成語

飛耳長目

(ひじちょうもく)

遠くの物事を鋭く見聞きし、情報に精通していること。


7文字の言葉ひ・び・ぴ」から始まる言葉
飛耳長目 ことば
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意味

「飛耳長目」とは、遠く離れた出来事まで鋭敏に察知し、あらゆる情報に通じていることを意味します。
単に耳や目が良いという話ではなく、観察眼が鋭く、広い視野で物事の情勢を的確に捉えられる人物への敬意を込めて使われる言葉です。

  • 飛耳(ひじ):遠くの音を聞き取る鋭い耳の例え。
  • 長目(ちょうもく):遠くまで見通す鋭い目の例え。

語源・由来

「飛耳長目」は、中国古代の政治思想書『管子かんし』の一節に由来します。
斉の名宰相として知られる管仲かんちゅうは、君主が国を治めるために備えるべき9つの心得を説いた「九守」篇の中で、「一に曰く長目、二に曰く飛耳、三に曰く樹明」と述べました。
これは、君主一人の目や耳には限りがあるため、各地に情報を集める仕組みを持ち、遠くの出来事まで正確に把握すべきだという統治の心得を説いたものです。
もとの語順は「長目飛耳」でしたが、日本では「飛耳長目」という並びで定着しました。

使い方・例文

「飛耳長目」は、情報網の広さや観察力の鋭さをほめる場面で使われます。

  • 彼はまさに飛耳長目の情報通で、業界の変化に誰よりも早く気づく。
  • 密偵たちの飛耳長目によって、敵陣の動きは筒抜けだった。
  • 経営者には飛耳長目の姿勢で市場を見渡す力が求められる。

類義語・関連語

「飛耳長目」と同様に、優れた観察力や情報収集力を表す言葉には以下のようなものがあります。

  • 千里眼(せんりがん):
    遠く離れた場所の出来事まで見抜く力の例え。
  • 地獄耳(じごくみみ):
    誰も知らないような情報や噂を、いち早く聞きつけること。

「飛耳長目」と類義語の違い

どちらも情報や状況を鋭く捉える力を表しますが、ニュアンスには違いがあります。
「千里眼」は個人が持つ生まれつきの洞察力、「地獄耳」は噂話を素早く聞きつける耳の早さを指す口語的な言葉です。
一方「飛耳長目」は、組織的な情報網を通じて物事に精通することを指す、やや格式ばった言葉です。

語句ニュアンス主に使う場面
飛耳長目
(ひじちょうもく)
組織的な情報網と広い視野統治、ビジネス、公式な場
千里眼
(せんりがん)
個人の鋭い洞察力・予知力能力を形容する場面
地獄耳
(じごくみみ)
噂話を素早く聞きつける早さ日常会話、やや軽い文脈

英語表現

have an ear to the ground

地面に耳を当てて情報を探る様子から、世情に敏感で情報通であることを表す表現。

A good leader always has an ear to the ground.
(優れた指導者は常に情報網を張り巡らせている。)

君主の「目」と「耳」になった役人たち

古代中国の統治思想では、為政者が自らの目や耳だけに頼るのではなく、各地に情報を集める役割の人材を配置する発想が重視されました。
『管子』が説いた「長目飛耳」も、そうした情報網を担う人材そのものを指す言葉として使われた記録があります。
後の時代の中国王朝でも、地方の実情を都に報告する監察官や、各地の様子を探る役職が置かれ、情報収集の仕組みが制度として整えられていきました。
広大な国土を治めるうえで、遠方の情報をいかに集めるかは、為政者にとって常に重要な課題でした。

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