悪臭を放つものを風上に置けば、その臭いは風下にいる皆に届いてしまう。
そんな迷惑な存在への強い軽蔑を表すのが、「風上にも置けない」(かざかみにもおけない)です。
意味
風上にも置けないとは、性質や行動が卑劣で、仲間として認めることができないことという意味です。
悪臭のするものを風上に置くと臭いが流れてきて迷惑であるという発想から、軽蔑の意を込めて相手を強く非難する際に使われます。
- 風上(かざかみ):風が吹いてくる側。
- 置けない(おけない):そこに存在させておくことができない。
語源・由来
「風上にも置けない」は、悪臭を放つものが風上にあると、その臭いが風に乗って風下の広い範囲に流れてしまうという、単純だが実感を伴う自然の道理から生まれた言葉です。
臭い物は風下に置くのが当然という感覚を裏返し、あえて「風上に置けない」と述べることで、周囲に悪影響を及ぼす存在であることを強調しています。
「男の風上にも置けない」のように、特定の属性を持つ集団を主語にして使う言い回しが定着しています。
使い方・例文
「風上にも置けない」は、卑劣な行動をとった相手を強く非難する際に使われます。
- 仲間を裏切るとは、友の風上にも置けないやつだ。
- 弱い者いじめをするなんて、教師の風上にも置けない。
- その振る舞いは、プロの風上にも置けないものだった。
類義語・関連語
「風上にも置けない」と同様に、卑劣な人物を強く非難する言葉には以下のようなものがあります。
- 恥知らず(はじしらず):恥を感じない、道理をわきまえない人物。
- 面汚し(つらよごし):仲間や集団の名誉を傷つける存在。
英語表現
「風上にも置けない」を英語で表現する場合、以下のような言い回しが使われます。
a disgrace to
特定の集団や職業にとって恥さらしな存在であることを表す表現。
- 例文:
He’s a disgrace to his profession.
(彼はその職業の風上にも置けない人物だ。)
嗅覚を借りた道徳表現
「風上にも置けない」は、視覚や聴覚ではなく嗅覚を通じて人の卑劣さを表す珍しい言葉です。
悪臭は目に見えず、風向き次第で誰にでも及ぶ避けようのない不快感として直感的に理解されます。
この逃げ場のない不快さを人格の評価に重ねることで、単なる批判以上に強い拒絶の感情を伝える表現として機能しています。









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