習い性と成る

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ことわざ 慣用句
習い性と成る
(ならいせいとなる)
異形:習い性となる

8文字の言葉」から始まる言葉

繰り返した行いが深く定着し、まるで生まれつきの性格のようになる現象。
このような状態を表すのが、「習い性と成る」(ならいせいとなる)です。

意味

「習い性と成る」とは、繰り返し練習したことや日常の習慣が、やがてその人の生まれつきの性格や体質のように定着するという意味です。
善い行いだけでなく悪い癖など、長年の行動が心身に深く根付いてしまうことを客観的に表す際に使われます。

語源・由来

儒家の経典である『書経(しょきょう)』の「太甲上(たいこうじょう)」に記された、

茲れ乃ち不義、習い性と成る
(読み:これ すなわち ふぎ、ならい せいと なる)

という一節に由来します。

殷(いん)の時代の宰相・伊尹(いいん)が、素行の修まらない若き王・太甲(たいこう)に宛てた訓戒の中で、日常の習慣がやがて人間の本性として定着していく様を説いたものであり、これが日本に伝わって定着しました。

使い方・例文

「習い性と成る」は、無意識のうちに特定の行動をとってしまうほど、習慣がその人の一部として定着している場面で使われます。

  • 毎朝のランニングが習い性と成ることで、基礎体力が劇的に向上した。
  • 貧乏ゆすりは学生時代からの習い性と成っており、なかなか直せない。
  • 職人としての厳しい修行が習い性と成っているため、彼の所作は常に美しい。

類義語・関連語

「習い性と成る」と似た意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。

  • 習慣は第二の天性なり(しゅうかんはだいにのてんせいなり):
    日常の習慣が深く定着し、生まれつきの性質のようになること。
  • 三つ子の魂百まで(みつごのたましいひゃくまで):
    幼少期に形成された性格や性質は、老年になっても変わらない状態。
  • 雀百まで踊り忘れず(すずめひゃくまでおどりわすれず):
    幼い頃に身についた習慣や癖は、一生抜け切らない様子。

対義語

「習い性と成る」と反対の意味を持つ言葉には以下のようなものがあります。

  • 三日坊主(みっかぼうず):
    物事に飽きやすく、習慣として長続きしない様子。
  • 付け焼き刃(つけやきば):
    その場しのぎのために、知識や技術をにわか仕込みで覚えた状態。

英語表現

Habit is second nature.

意味:習慣は第二の天性である

  • 例文:
    Getting up early has become second nature to him.
    早起きは彼にとって習い性と成っている。

習慣のメカニズム

脳には、頻繁に使われる神経回路の結びつきを強化する「シナプスの可塑性(かそせい)」という性質が存在します。
反復して行われた行動や思考は、大脳基底核という領域に「手続き記憶」として保存され、意識的な判断を経ずに自動で実行されるようになります。
自転車の運転や楽器の演奏が意識せずにできるのと同じ原理であり、「習い性が成る」という現象は、人間の脳がエネルギー消費を抑えるために獲得した合理的なシステム構造によるものです。

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