意味
「一本調子」とは、変化がなく、同じ調子のまま続く様子という意味です。
話しぶりや文章、物事の進め方など、初めから終わりまで時間の流れをもつものに使われ、おもしろみに欠けるという評価を伴います。
これとは別に、一本気であることを指す使い方もあります。
- 一本(いっぽん):ひとすじで、枝分かれのないこと。
- 調子(ちょうし):音や声の高低、話しぶりの流れ。
語源・由来
「一本調子」は、もともと歌の調子について言った言葉です。
歌の調子に抑揚や変化がないことをいい、そこから転じて文章、会話、行為などに変化が乏しいことを指すようになりました。
歌や語りの調子を評していた言葉が、話し方や文章、さらに物事の進め方にまで広がりました。
いまでは音の調子と関わりのない場面でも使われます。
使い方・例文
「一本調子」は、変化がなく飽きが来る話し方や進め方を評する場面で使われます。
- 彼の説明は一本調子で、どこが要点か分からなかった。
- 一本調子な攻めでは、あの守備は崩せない。
- 最初から最後まで一本調子に読み上げるだけの司会だった。
小説での使用例
『虞美人草』(夏目漱石)
あれこれ計算する人物の側から、迷いなく突き進む人を評した一節。ここでは変化のなさではなく、一本気であることを指しています。
万事を商量するものは一本調子(イッポンデウシ)の人を羨(うらや)ましがる
類義語・関連語
「一本調子」と同じく、変化のなさを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 千篇一律(せんぺんいちりつ):
どれも同じ調子で、変化や個性に欠けること。 - 十年一日(じゅうねんいちじつ):
長い年月が経っても、少しも変わらないこと。 - 平板(へいばん):
変化に乏しく、おもしろみのないこと。
「一本調子」と「千篇一律」の違い
どちらも変化がなくて飽きることを表しますが、変化がないものの数が違います。
「一本調子」は一つのものの中で調子が変わらないこと、「千篇一律」は並べたものがどれも同じであることを指します。
| 語句 | 変化がない範囲 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 一本調子 (いっぽんちょうし) | 一つのものの中 | 話し方・進め方 |
| 千篇一律 (せんぺんいちりつ) | 並べた複数のもの | 作品・企画の並び |
英語表現
monotonous
同じ調子が続いて飽きることを指す、話し方にも仕事の内容にも使える表現。
His speech was monotonous from start to finish.
(彼の話は最初から最後まで一本調子でした。)
in a monotone
声の高さを変えずに話す様子を、話し方に限って言うときの言い回し。
She read the whole report in a monotone.
(彼女は報告書全体を一本調子で読み上げました。)
「ちょうし」と「ぢょうし」
「一本調子」には「いっぽんちょうし」と「いっぽんぢょうし」の二つの読みがあります。
二つの語がつながって一語になるとき、後ろの語の頭の音が濁ることがあり、これを連濁と呼びます。
「調子」の「ちょ」が「ぢょ」に変わった「いっぽんぢょうし」は、この連濁が起きた形です。
どちらで読んでも誤りではありません。









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