四字熟語 仏教用語

無二無三

(むにむさん)

わき目もふらず、一途になること。ひたむきに一つのことへ打ち込むさま。

異形:むにむざん

5文字の言葉」から始まる言葉
無二無三 ことば
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意味

「無二無三」には、三つの意味があります。
一つ目は、わき目をふらず一途になるという意味で、「ゴールを目ざして無二無三に走る」のように使います。
このほか、法華経が説く教えを指す仏教の語としての意味と、ただ一つしかない、二つとないという意味があります。

  • 無二(むに):二つ目がないこと。
  • 無三(むさん):三つ目もないこと。

語源・由来

「無二無三」は、法華経の教えを表す「無二亦無三(むにやくむさん)」を略した言葉です。
法華経は、仏となる道はただ一つ、一乗にあるだけで、二乗にも三乗にもないと説きます。
ここから転じて、ただ一つで他に類がないという意味が生まれ、さらに、わき目もふらず一途になるという意味へ広がりました。

使い方・例文

「無二無三」は、ほかに目もくれず一つのことへ向かう様子を語る場面で使われます。

  • 締め切りの前日、彼は無二無三に原稿を書き続けた。
  • ゴールを目ざし、最後の直線を無二無三に走った。
  • 入門したその日から、無二無三に稽古へ打ち込んでいる。

小説での使われ方

『疑惑』(芥川龍之介)
梁の下から妻を助け出そうとする場面で使われています。

そうしてもう一度無二無三に、妻の体を梁の下から引きずり出そうと致しました

類義語・関連語

「無二無三」に近い言葉は、一途さを表すものと、ただ一つであることを表すものに分かれます。

  • 一心不乱(いっしんふらん):
    一つのことに心を集中し、ほかに気をとられないこと。
  • 一意専心(いちいせんしん):
    ひたすら一つのことに心を注ぎ、脇目もふらないこと。
  • 唯一無二(ゆいいつむに):
    ただ一つだけで、ほかに代わるものがないこと。

「無二無三」と「一心不乱」の違い

どちらも一つのことへ向かう様子を表す、意味の近い言葉です。
違いは見ている面で、「無二無三」はほかの道を選ばない一途さを、「一心不乱」は心が乱れず集中している状態を表します。

語句表す面出どころ
無二無三
(むにむさん)
ほかの道を選ばない一途さ法華経
一心不乱
(いっしんふらん)
心が乱れない集中阿弥陀経

英語表現

single-mindedly

ほかのことに目を向けず、一つの目的だけに向かう様子を表す表現。

He worked single-mindedly toward his goal.
(彼は無二無三に目標へ向かって取り組みました。)

法華経が説いた「ただ一つの道」

「無二無三」は、『法華経』方便品にある「十方仏土中、唯有一乗法、無二亦無三」(十方の仏の国々には、ただ一乗の法のみがあり、二つ目、三つ目の道はない)という一節に由来します。
仏になるための道はただ一つの教え(一乗)しかなく、それ以外に別の道はないという趣旨です。

もとは仏の教えを説く言葉でしたが、後に他に並ぶものがないこと、ひたむきに一つのことに打ち込むことを表す語として、仏教を離れて一般にも使われるようになりました。

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