意味
「八面玲瓏」とは、どの方面から見ても曇りがなく美しいことという意味です。
転じて、心にわだかまりがなく、だれに対しても交際ぶりが円満で巧みなことも表し、景色の見え方と人の心のありようの、二つの向きで使われる四字熟語です。
- 八面(はちめん):あらゆる方面。
- 玲瓏(れいろう):透き通って美しいさま。
語源・由来
「八面玲瓏」は、玉が澄んで光る様子を表す「玲瓏」に、四方八方を指す「八面」を重ねた言葉です。
馬熙の「開窓看雨」という詩には「洞房は薬を編み屋は荷を編む 八面玲瓏 月を得ること多し」とあり、薬草や蓮で組んだ小屋が四方とも透けていて月の光がよく差し込む、という情景をうたっています。
使い方・例文
「八面玲瓏」は、心の澄んだ人柄をほめる場面や、遮るもののない眺めを描く場面で使われます。
- 彼は八面玲瓏な人柄で、どの部署からも頼りにされている。
- 山頂から見上げた空は八面玲瓏、雲のかけらもなかった。
- 八面玲瓏の応対に、渋っていた相手の表情もゆるんだ。
類義語・関連語
「八面玲瓏」と同じように、心の曇りのなさや人あたりのよさを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 円転滑脱(えんてんかつだつ):
言動が角立たず、物事が滞りなく進むこと。 - 虚心坦懐(きょしんたんかい):
わだかまりを持たず、素直な気持ちで物事に向かう心構え。 - 明鏡止水(めいきょうしすい):
邪念がなく、澄みきって落ち着いた心の状態。 - 八方美人(はっぽうびじん):
だれからも悪く思われないように、如才なく振る舞うこと。また、その人。
「八面玲瓏」と「八方美人」の違い
どちらもだれとでも円満に付き合う様子を表しますが、その振る舞いの受け取られ方が違います。
「八面玲瓏」は心に曇りがないことをほめる言葉で、「八方美人」は非難の気持ちを込めて用いることが多い言葉です。
| 語句 | 向き | 中心にあるもの |
|---|---|---|
| 八面玲瓏 (はちめんれいろう) | ほめる | 曇りのない心 |
| 八方美人 (はっぽうびじん) | 非難を含む | 相手への調子合わせ |
英語表現
affable
だれに対しても気さくで、角のない応対をする人柄に当てはまる語。
He is an affable man who puts every guest at ease.
(彼は、どの客も気楽にさせる気さくな人です。)
「玲瓏」はもともと音を表す言葉だった
「玲瓏」はもともと、玉と玉がふれ合う音を表す言葉だったとされ、そこから澄んだ美しさを表す視覚的な意味に広がったと考えられています。
音を表す言葉が見た目の美しさを表すようになった例です。









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