意味
「八紘一宇(はっこういちう)」とは、地の果てまでを一つの家のようにするという意味です。
「八紘」は四方と四隅、すなわち天下や地の果てを、「宇」は家を指します。
第二次世界大戦期に日本の海外進出を正当化する標語として用いられ、いまは主に歴史を説明する文脈で目にする言葉です。
- 八紘(はっこう):四方と四隅。天下。
- 一宇(いちう):一つの家。一家族。
語源・由来
「八紘一宇」は、『日本書紀』の神武天皇にまつわる記述をもとに、後の時代に作られた四字熟語です。
神武即位前紀には「六合を兼ねて以て都を開き、八紘を掩ひて宇と為さん」という一節が出てきます。
「六合」は国の内、「八紘」は地の果てを指し、全体で都を開き天下を一つの家とする、という意味になります。
ここにあるのは「八紘為宇」であって、「八紘一宇」という四字そのものは書かれていません。
この四字を作ったのは、日蓮主義の宗教家・田中智学で、1903年のこととされています。
使い方・例文
「八紘一宇」は、戦時下の日本が掲げた理念について語る場面で使われます。
- 教科書は八紘一宇を、戦時下の標語の代表として挙げている。
- 祖父の日記には八紘一宇の四字が何度も書かれていた。
- 展示室には八紘一宇をかかげた当時のポスターが並んでいた。
小説での使われ方
『風にそよぐ葦』(石川達三)
戦時中に受けた教育を振り返る場面で使われています。
聖戦の意義や東亜民族の解放や八紘一宇や、ありとあらゆる戦時教育をあたえられ
類義語・関連語
「八紘一宇」と同じ由来や同じ時代背景を持つ言葉には以下のようなものがあります。
- 八紘為宇(はっこういう):
『日本書紀』に出てくる、八紘を覆って一つの家とするという言葉。 - 大東亜共栄圏(だいとうあきょうえいけん):
第二次世界大戦期の日本が建設をうたった、アジアの広い地域を一つにまとめる構想。
「八紘一宇」が公文書にあった5年間
1940年(昭和15年)7月、第二次近衛内閣は閣議決定した「基本国策要綱」に、「皇国ノ国是ハ八紘ヲ一宇トスル肇国ノ大精神ニ基キ」と書きました。
日本の国の方針は、天下を一つの家とする建国の精神に基づく、という意味です。
これが「八紘一宇」という言葉が公式に使われた最初とされます。
戦争が終わった1945年(昭和20年)12月15日、連合国軍総司令部(GHQ)は日本政府に「神道指令」を出しました。
その中で、公文書に「大東亜戦争」「八紘一宇」などの言葉を使うことを禁じています。
国の方針を示す言葉としての「八紘一宇」は、こうして5年あまりで公文書から消えました。









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