意味
「元も子もない(もともこもない)」とは、元金も利息もなくして、何ひとつ残らないという意味です。
- 元(もと):貸し借りしたもとの金。元金。
- 子(こ):元金から生じた利益。利息。
語源・由来
「元も子もない」は、お金の貸し借りの言葉をたとえに使った言い回しです。
元金を「元」、元金から生まれる利息をその「子」と見立てています。
使い方・例文
「元も子もない」は、多く「〜しては元も子もない」「〜したら元も子もない」の形で、無理や行き過ぎで肝心のものまで失うことを言います。
そうならないよう、相手を止める忠告にもよく使います。
- 体を壊しては元も子もないから、今日は休みなさい。
- 値切りすぎて話が流れては元も子もない。
- 高い利回りに目がくらんで元手まで失っては元も子もない。
類義語・関連語
「元も子もない」と同じように、結局は何も残らないことを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 水の泡(みずのあわ):
努力や苦心が、すべてむだになること。 - 虻蜂取らず(あぶはちとらず):
二つを同時に取ろうとして、どちらも得られないこと。 - 骨折り損のくたびれ儲け(ほねおりぞんのくたびれもうけ):
苦労しただけで、何の利益も残らないこと。
「元も子もない」と「水の泡」の違い
どちらも結果が何も残らないことを表しますが、失うものが違います。
「元も子もない」はもともと持っていたもとでまで失うことをいい、「水の泡」は積み上げてきた努力がむだになることをいいます。
| 語句 | 失うもの | 使われる場面 |
|---|---|---|
| 元も子もない | もとでと利益の両方 | やり過ぎを止めるとき |
| 水の泡 | 重ねてきた努力 | 苦労が報われなかったとき |
英語表現
defeat the object
望んでいた結果を得られなくしてしまうことを指す表現。
Working so hard that you fall ill defeats the object.
(体を壊すほど働いては元も子もありません。)
lose your shirt
賭け事や投資で大金をすっかり失うことを表すフレーズ。
He lost his shirt on that investment.
(彼はその投資で有り金をすべて失いました。)
室町の利息「六文子」、月6%の高利
室町時代、土倉と呼ばれる金貸しは、利息を「文子」という単位で数えていました。
元金百文につき月に何文の利息がつくかを言う数え方で、「六文子」なら月に六文です。
「文子」の「子」も、「元も子もない」の「子」と同じく利息のことです。
高いところでは八文子や十文子もあり、室町幕府は四文子以下にするよう法令を出しました。
それでも土倉の相場は六文子ほどで、法令はあまり守られなかったとされます。
六文子は月に6%で、一年なら利息だけで元金の7割を超えます。
それだけの「子」を生む元金を失うのですから、元も子もないのは大きな痛手でした。










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