意味
「稼ぐに追い抜く貧乏神」とは、どれほど懸命に働いて稼いでも、それ以上の速さで貧乏神に追い抜かれ、貧しさから抜け出せないという意味です。
収入を得る努力そのものは認めつつも、出費や運の悪さがそれを上回ってしまう、やりきれない状況を自嘲気味に語る際に使われます。
- 稼ぐ(かせぐ):働いてお金を得ること。
- 追い抜く(おいぬく):追いついて追い越すこと。
- 貧乏神(びんぼうがみ):貧しさをもたらすとされる神。
語源・由来
「稼ぐに追い抜く貧乏神」は、「稼ぐに追いつく貧乏なし」ということわざを逆手に取った、もじりの表現として生まれました。
もとのことわざは、真面目に働き続けていれば貧乏神も追いつけず、いずれ暮らしは楽になるという前向きな教えです。
その語順や語感をそっくり借りながら「追いつく」を「追い抜く」に変え、貧乏神のほうが自分より速く走っているという皮肉な逆転を加えることで、努力が報われない現実を茶化す言葉として定着しました。
使い方・例文
「稼ぐに追い抜く貧乏神」は、働いても報われない金銭状況を自嘲気味に語る場面で使われます。
- 残業続きなのに貯金は増えない、まさに稼ぐに追い抜く貧乏神だ。
- 副業を始めても、稼ぐに追い抜く貧乏神とはよく言ったものだ。
- 臨時出費が続き、稼ぐに追い抜く貧乏神を実感する月だった。
類義語・対義語
「稼ぐに追い抜く貧乏神」と同様に、働いても暮らしが楽にならない状況を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 水の泡(みずのあわ):それまでの苦労や努力が無駄になってしまうこと。
一方、正反対に「働き続ければ貧乏から抜け出せる」という意味の対義語には、次のような言葉があります。
- 稼ぐに追いつく貧乏なし(かせぐにおいつくびんぼうなし):真面目に働き続ければ、貧乏神も追いつけず暮らしは楽になるという教え。
「〜なし」を「神」に変える、江戸の駄洒落の作法
「稼ぐに追い抜く貧乏神」のように、もとのことわざの語順や音の響きをそのまま借りて、結末だけを正反対にひっくり返す言葉遊びは、江戸時代の庶民の間で好んで作られてきた表現方法です。
「貧乏なし」を擬人化した「貧乏神」に置き換える発想も、その系譜の一つです。もじりのことわざは、もとの言葉を知っていて初めて成立します。










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