意味
「貧乏神(びんぼうがみ)」とは、取り憑かれた者を金欠に追い込むとされる神から転じて、金銭面の不運を招く元凶を指す言葉です。
本人の努力とは関係なく、お金にまつわる不幸が続く状況を、半ば冗談交じりに、半ば本気で嘆く際に使われる言葉です。
- 貧乏(びんぼう):お金や財産が乏しいこと。
- 神(かみ):人知を超えた力を持つ存在。
語源・由来
「貧乏神」は、貨幣経済が発達した江戸時代以降に広まった、都市の俗信の中の神です。
江戸時代の小咄や落語などには、みすぼらしい身なりでやせ細った姿の貧乏神が登場し、家に住み着いて住人を貧しくさせる存在として描かれてきました。
単に忌み嫌われるだけでなく、手厚くまつればかえって福の神に変わるとも考えられ、どこか憎めない存在でもあります。
使い方・例文
「貧乏神」は、金銭的な不運が続く状況を嘆いたり、からかったりする場面で使われます。
- また出費が重なった、うちには貧乏神が住み着いているらしい。
- 宝くじで大負けし、貧乏神に取り憑かれたと友人にからかわれた。
- 大掃除で貧乏神を追い出すつもりで、部屋を隅々まで片付けた。
類義語・関連語
「貧乏神」と同様に、不運や災難をもたらす存在を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 疫病神(やくびょうがみ):
厄介事や災難を引き起こす嫌われ者の象徴。
対義語
一方、正反対に幸運をもたらす存在を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 福の神(ふくのかみ):
思いがけない幸運や利益をもたらしてくれる人。
大阪の商家に伝わった、焼き味噌で貧乏神を追い払う風習
貧乏神を追い払う風習は、日本各地の民間伝承に伝わっています。
大阪地方の裕福な商家では、毎月の晦日(月末)に「貧乏神送り」と呼ばれる儀礼が行われていました。
焼き味噌を二つ作って家じゅうを持ち回り、その匂いで家に居座る貧乏神をおびき出したうえで、最後に川へ流すという手順です。
貧乏神は焼き味噌の匂いを好むと考えられていたため、この匂いを使って家の外へ導き出したとされています。
新潟県には、大晦日の夜に囲炉裏で大きな火を焚くと、貧乏神が熱さを嫌って逃げ出し、代わりに福の神が現れるという言い伝えがあるともいわれます。
地域によって手段は異なりますが、年の節目に貧乏神を送り出し、福を迎え入れようとする発想は共通しています。










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