意味
「人海戦術」は、人の多さを海にたとえた「人海」と、戦い方を指す「戦術」を重ねた四字熟語です。
多くの兵力をくり出し、損害に構わず数の力で敵軍を押し切ろうとする戦法を表します。
そこから転じて、多人数で物事に対処することもこの語で言い表します。
- 人海(じんかい):人の多いことを海にたとえていう語。
- 戦術(せんじゅつ):戦いに勝つための具体的な方法。
語源・由来
「人海戦術」は、多くの人を海にたとえた「人海」と、戦い方を指す「戦術」を重ねた言葉です。
1950年、朝鮮戦争に参戦した中国人民志願軍の戦い方をアメリカ側がこう呼んだことで、広く知られるようになったといわれています。
もともとは、圧倒的な兵力の差で敵を押し切る戦法を指す言葉でしたが、そこから転じて、多くの人手をつぎ込んで物事に対処するという意味でも使われるようになりました。
使い方・例文
「人海戦術」は、機械や工夫より人数の多さで押し切ろうとする場面で使われます。
- 締め切りが迫り、社員総出の人海戦術で何とか仕上げた。
- 落とし物の捜索は、結局人海戦術に頼るしかなかった。
- 機械が使えないので、袋詰めは人海戦術で乗り切った。
類義語・関連語
「人海戦術」と同じように、人数の多さがものを言う場面を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 人海作戦(じんかいさくせん):
多人数をくり出して物事に当たるやり方。 - 多勢に無勢(たぜいにぶぜい):
人数の差が圧倒的で、少人数ではかなわないこと。
対義語
「人海戦術」と正反対に、人数ではなく一人ひとりの質でことに当たることを表す言葉があります。
- 少数精鋭(しょうすうせいえい):
人数は少ないものの、選び抜かれた優れた能力の持ち主だけで構成されていること。
英語表現
all hands on deck
手の空いている人を全員集めて事に当たる、という言い方。もとは船の乗組員全員を甲板へ呼ぶ号令で、そこから広がった表現。
With the deadline tomorrow, it is all hands on deck at the office.
(締め切りが明日なので、事務所は全員総出の態勢です。)
朝鮮戦争でアメリカ軍を翻弄した戦術
人海戦術は、武器や地形の不利を、兵員を大量に投入することで補う戦術です。
この語は、中国人民解放軍が抗日戦や朝鮮戦争で同様の作戦を展開したことに由来するとされています。
1950年11月に朝鮮戦争へ参戦した中国の義勇軍は、北上する国連軍に対して軽装備の歩兵を山岳地帯から迂回させる戦術を大規模に用いました。
これがアメリカ側に「人海戦術」として知られるようになりました。
敵陣を人民の海で包囲するという発想からこの語をつくったのは毛沢東だという説もあります。









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