四字熟語

悪木盗泉

(あくぼくとうせん)

苦しくても不正や不名誉なものには近づかず、身を清く保つという教え。


8文字の言葉」から始まる言葉
悪木盗泉 ことば
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意味

「悪木盗泉」とは、どれほど困窮していても、不名誉な由来を持つものには手を出さず、自分の身を汚さないという教えです。転じて、わずかな不正や誘惑であっても、疑わしいものには最初から近づかないという清廉さを重んじる態度を表します。

  • 悪木(あくぼく):人に害を与えたり、悪臭を放ったりする、良くない木。
  • 盗泉(とうせん):「盗み」を連想させる不名誉な名の付いた、中国にあった泉。

語源・由来

「悪木盗泉」は、中国・晋の文人である陸機の詩『猛虎行』の一節「渇すれども盗泉の水を飲まず、熱すれども悪木の陰に息わず」に由来する言葉です。現代語にすると「のどが渇いても盗泉の水は飲まず、暑くても悪木の陰では休まない」という意味になります。

この句の背景には、孔子が盗泉のそばを通りかかったとき、のどが渇いていたにもかかわらず、その名を嫌って水を飲まなかったと伝えられる故事があります。名前ひとつにも不名誉な由来があれば近づかないという、徹底した身の処し方を示す逸話です。

使い方・例文

「悪木盗泉」は、目先の利益や苦しい状況があっても、不正や不名誉に関わるものには近づかないという態度を表す際に使われます。

  • 会社が傾いても、彼は悪木盗泉とばかりに怪しい金には手を出さなかった。
  • 生活が苦しくても悪木盗泉の心で、怪しい儲け話は断った。
  • 悪木盗泉の教えを胸に、出所の不透明な支援は辞退した。

類義語・関連語

「悪木盗泉」と同じく、疑わしい状況を自ら避ける姿勢を表す言葉に、次のようなものがあります。

  • 瓜田李下(かでんりか):他人から疑われかねない行動を、あらかじめ避けること。

どちらも身を慎む教えですが、力点の置き方が異なります。

「悪木盗泉」と「瓜田李下」の違い

語句何を避けるか力点
悪木盗泉
(あくぼくとうせん)
不名誉な由来を持つもの自体自分の意志・清廉さ
瓜田李下
(かでんりか)
疑われかねない行動そのもの他人の目・誤解の回避

英語表現

wouldn’t touch it with a ten-foot pole

触れることさえ拒むほど疑わしい、または不名誉なものへの強い拒絶感を表す表現。

He wouldn’t touch that money with a ten-foot pole.
(彼はその金には決して手を出さないだろう。)

泗水のほとりで名前だけを嫌った

「悪木盗泉」の由来は、孔子が旅の途中で喉が渇いていたにもかかわらず、目の前の泉の名が「盗泉」であることを嫌い、その水を飲まなかったという故事にあります。
盗泉は現在の中国・山東省泗水県にあったとされる泉の名で、孔子はこの地に宿を取ることも避けたと伝えられています。

この故事は、西晋の文人・陸機りくきが「猛虎行」という詩の中で「渇しても盗泉の水を飲まず、暑くても悪木の陰に休まず」と詠んだことで、後世に広く知られるようになりました。

名前ひとつを理由に泉の水すら拒んだという逸話は、実利より高潔さを優先する態度の象徴として、四字熟語「悪木盗泉」の中に受け継がれています。

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