意味
「天罰覿面」とは、悪い行いをすれば、間を置かずにその報いが自分の身に現れることを表す言葉です。深刻な文脈だけでなく、ちょっとした身勝手な行動のすぐあとに割を食うような、やや皮肉めいた場面でも使われます。
- 天罰(てんばつ):天が下す罰。人の力の及ばないところから加えられる制裁。
- 覿面(てきめん):効果や結果が、すぐその場に現れること。
語源・由来
「天罰覿面」は、「天罰」と「覿面」という、それぞれに歴史のある言葉を組み合わせてできた四字熟語です。「天罰」は、中国の古い書物にも見られる言葉で、人の力の及ばない天が下す罰を意味します。「覿面」は、本来「面と向かう、まのあたりにする」という意味の言葉で、そこから転じて、結果や効き目がすぐ目の前に現れることを指すようになりました。この二つが組み合わさり、悪事の報いがすぐに現れる様子を表す言葉として使われるようになりました。
使い方・例文
「天罰覿面」は、悪事や身勝手な行いのすぐあとに、その報いが現れた場面で使われます。
- 列に割り込んだ客が店員に注意され赤面する。天罰覿面だ。
- 嘘をついた翌日に体調を崩すとは、天罰覿面とはこのことだ。
- 手抜き工事の建物が真っ先に傷むとは、天罰覿面である。
類義語・関連語
「天罰覿面」と同じく、行いの報いを表す言葉には、次のようなものがあります。
「天罰覿面」と類義語の違い
三つとも行いの報いを表しますが、焦点が異なります。「天罰覿面」は報いが現れるまでの速さに焦点があるのに対し、「因果応報」は善悪どちらの行いにも当てはまる普遍的な法則を、「自業自得」は自分の行いの結果を自分が受けるという因果の主体を強調します。
| 語句 | 焦点 | 対象となる行い |
|---|---|---|
| 天罰覿面 (てんばつてきめん) | 報いが現れる速さ | 主に悪事 |
| 因果応報 (いんがおうほう) | 善悪を問わない普遍的な法則 | 善悪どちらも |
| 自業自得 (じごうじとく) | 自分の行いを自分が受ける | 主に悪事 |
英語表現
poetic justice
皮肉なほど収まりのよい報いという意味の表現で、天罰覿面が持つ「間を置かず報いが現れる」ニュアンスに近い。
Getting caught by his own trick was pure poetic justice.
(自分の仕掛けた罠にはまるとは、まさに天罰覿面だ。)
what goes around comes around
自分の行いは巡り巡って自分に返ってくるという意味の表現で、天罰覿面が表す「報いの必然性」に近い。
He cheated everyone, but what goes around comes around.
(彼は皆をだましたが、天罰覿面とはよく言ったものだ。)
「効果覿面」というコピーにも使われる字
「天罰覿面」を形づくる「覿面」は、単独でも現代の日常語の中に生き続けています。
代表的なのが「効果覿面」という言葉で、薬や対策がすぐに効き目を示したときによく使われます。
天罰覿面が悪事の報いの速さを表すのに対し、効果覿面は良い結果が速く現れることを表しており、同じ「覿面」が善悪どちらの文脈にも使われていることになります。
「まのあたりにする」という覿面の本来の意味を知らなくても、多くの人が「効果覿面」という形でこの漢字に触れていることになります。









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