慣用句

盲亀の浮木

(もうきのふぼく)

極めてまれな、奇跡的な巡り合わせのたとえ。仏教の説話に由来する。


7文字の言葉」から始まる言葉
盲亀の浮木 ことば
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意味

「盲亀の浮木」は、大海の底に住む目の見えない亀が百年に一度だけ海面に顔を出し、たまたま漂う流木の穴に頭を入れるほどのめったに起こらない、奇跡のような巡り合わせを表します。
特に、人として生まれたことや、仏の教えに出会えたことのありがたさを説くために使われる言い方です。

  • 盲亀(もうき):目の見えない亀。
  • 浮木(ふぼく):水に浮かぶ木。

語源・由来

「盲亀の浮木」は、仏教の経典『涅槃経』などに収められた寓話に由来します。大海の底に住む、目の見えない一匹の亀が、百年に一度だけ海面に顔を出します。海上にはただ一本、穴の空いた木が漂っており、亀がその穴にたまたま頭を入れることは、限りなく起こりにくいことだとされています。

釈迦は弟子に対し、人として生まれ、仏の教えに出会えることは、この亀が浮木の穴に頭を入れることよりもさらにまれで、めったにない出来事だと説いたと伝えられています。

使い方・例文

「盲亀の浮木」は、二度と巡り合えないような貴重な機会や出会いを表すときに使われます。

  • 幼なじみと海外で再会できるとは、盲亀の浮木のような偶然だ。
  • この師に弟子入りできたのは、盲亀の浮木にも等しい幸運だった。

類義語・関連語

「盲亀の浮木」と同じように、極めてまれな出来事を表す言い方に、次のようなものがあります。

  • 優曇華の花(うどんげのはな):三千年に一度だけ咲くとされる、仏教の伝説上の花。
  • 一期一会(いちごいちえ):一生に一度だけの出会いだと思って、その時を大切にする心構え。

「盲亀の浮木」と類義語の違い

三つの言葉とも「めったにない特別な機会」を表しますが、「盲亀の浮木」と「優曇華の花」は起こる確率そのものの低さを強調し、「一期一会」は確率の低さよりも、その一度きりの機会を大切にする心構えを表す点が異なります。

語句由来強調点
盲亀の浮木
(もうきのふぼく)
仏教経典の寓話確率の低さ・奇跡的な巡り合わせ
優曇華の花
(うどんげのはな)
仏教の伝説の花三千年に一度という稀少性
一期一会
(いちごいちえ)
茶道の心得一度きりの出会いを大切にする心構え

対義語

反対に、ありふれていて特別でもなんでもない出来事を表す言葉に「日常茶飯事」があります。

  • 日常茶飯(にちじょうさはんじ):ごく普通に、いつも起こっていること。

英語表現

once in a blue moon

非常にまれにしか起こらない出来事を表す表現。数十年に一度あるかないかの珍しい機会を指すときに使われる。

An opportunity like this comes once in a blue moon.
(こんな機会は、めったにない。)

like finding a needle in a haystack

干し草の山から一本の針を探すほど、極めて見つけにくい・起こりにくいことを表す表現。

Finding him in that crowd was like finding a needle in a haystack.
(あの人混みで彼を見つけるのは至難の業だった。)

「ありがとう」の遠い祖先

日常的に使われる「ありがとう」は、もとは「有り難し」、つまり「有ることが難しい」「めったにない」という意味の言葉でした。仏教の教えでは、人として生まれることは、盲亀が百年に一度の浮上でたまたま浮木の穴に頭を入れるより難しい、めったにない出来事だとされます。この「有ることが難しいほど貴重だ」という感覚が、人として生まれたことへの感謝を経て、日々の小さな親切に対する感謝の言葉「ありがとう」へと広がっていったとみられています。

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