意味
「我楽多(がらくた)」とは、古くなって使い道を失い、家の中で持て余されている雑多な道具や品物を指す言葉です。
物置や引き出しの奥にしまい込まれたまま、捨てるに捨てられず残っている品物などによく使われます。
古い言い方としては、値打ちのない人間をののしって言う場合にも使われます。
語源・由来
この言葉は、「がら」と「くた」という2つの言葉が結び付いてできたと考えられています。
「がら」は、物と物とがぶつかり合う音を表す言葉です。
「くた」については、腐って崩れることを意味する「朽ち(くち)」がなまったものとする説と、値打ちのない物を意味する「芥(あくた)」の一部が省かれたものとする説があります。
漢字で書くときの「我楽多」や、もう一つの書き方である「瓦落多」は、いずれも言葉の意味とは関係なく、音だけを借りた当て字です。
「我」「楽」「多」の字を1つずつ見ても、値打ちのない物という意味にはつながりません。
使い方・例文
人をののしる意味で使うことは、現代の日常会話ではほとんどありません。
- 引っ越しを機に、物置にたまった我楽多を一気に処分した。
- 夫が集めている古い部品は、私にはただの我楽多にしか見えない。
- 拾ってきた我楽多の山から、掘り出し物を見つけるのが得意だ。
類義語・関連語
この言葉と同様に、値打ちのない物を表す言葉には、次のようなものがあります。
- 屑(くず):
削れたり壊れたりして残った、値打ちのない部分。 - ごみ:
不要になって捨てられる、値打ちのない物全般。 - 塵芥(じんかい):
ちりやほこりなど、値打ちのない細かい物をまとめて言う語。
「我楽多」と類義語の違い
いずれも値打ちのない物を指しますが、何を対象にするか、どんな状態の物を指すかが異なります。
| 語句 | 対象となる物 | ニュアンス |
|---|---|---|
| 我楽多 (がらくた) | 使わなくなった雑多な道具や品物 | まだ手元にあり、処分されていない |
| 屑 (くず) | 削れたり欠けたりして残った部分 | 元の物からこぼれ落ちた残りかす |
| ごみ | 不要になった物全般 | 捨てる・処分することが前提 |
| 塵芥 (じんかい) | ちりやほこりなど細かい不用物 | 値打ちのない物をまとめて呼ぶ言い方 |
対義語
この言葉とは反対に、古くても価値が認められている物を表す言葉に、次のようなものがあります。
- 骨董品(こっとうひん):
年代を経たことで、美術的・歴史的な価値が認められている古い品物。
英語表現
junk
使い道のなくなった雑多な物を指す、我楽多に最も近い基本の単語。
Please throw away this junk in the garage.
(ガレージのその我楽多を捨ててください。)
odds and ends
まとまりのない、雑多な小物を指す表現。
The drawer was full of odds and ends.
(引き出しは我楽多でいっぱいだった。)
「我楽多」の字を誌名にした、日本最初の同人雑誌
「我楽多」の当て字は、明治の文芸雑誌の名前にも使われました。
1885年(明治18年)5月、大学予備門の学生だった尾崎紅葉・山田美妙らが、結社「硯友社」の機関誌として創刊した『我楽多文庫』です。
誌名のとおり、政治的な文章を除いた趣味の文章の寄せ集めで、小説のほか戯文・漢詩・川柳・狂歌から落語までを載せました。
初めは紅葉と美妙が筆で書き写して回覧する雑誌でしたが、やがて印刷され、市販されるようになりました。
1889年3月に『文庫』と改題し、同年10月に廃刊するまでの通巻43冊は、日本で最初の同人雑誌とされています。
紅葉・美妙のほか、巌谷小波・川上眉山・広津柳浪ら、明治中期の主な作家の初期の文章がこの雑誌に載っています。

コメント