雀百まで踊り忘れず

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ことわざ
雀百まで踊り忘れず
(すずめひゃくまでおどりわすれず)

15文字の言葉す・ず」から始まる言葉
雀百まで踊り忘れず 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

どれほど歳月を重ね、意識的に自分を変えようと努めても、幼い頃に深く刻み込まれた無意識の振る舞いや癖は、ふとした瞬間に顔を出してしまうものです。
そんな、一生直ることのない習性の根深さを、
「雀百まで踊り忘れず」(すずめひゃくまでおどりわすれず)と言います。

意味

「雀百まで踊り忘れず」とは、幼い頃に身についた習慣や癖は、死ぬまで直らないという教訓です。

また、若い頃に覚えた道楽や遊び癖が、年をとってもなかなか抜けないことのたとえとしても使われます。
どちらかと言えば、悪い癖や好ましくない習慣が直らないことに対して、皮肉や戒めを込めて用いられることが多い言葉です。

語源・由来

「雀百まで踊り忘れず」の由来は、スズメが地面を移動する際の独特な動きにあります。

スズメは地上でエサを探すとき、両足を揃えてピョンピョンと跳ねるように移動します。この習性を、昔の人は「踊り」と呼びました。スズメは雛のときから死ぬまで、この跳ねる動き(踊り)を変えることはありません。この観察結果から、人間も幼い頃に身につけた性質や習慣は一生変わらない、という意味に転じました。

なお、この言葉は「江戸いろはかるた」の読み札(す)に採用されたことで、人々の間に広く定着しました。

使い方・例文

「雀百まで踊り忘れず」は、人の「懲りない様子」や「どうしても抜けない癖」を指摘する文脈で使われます。

例文

  • 禁酒を誓いながらも、つい晩酌してしまう祖父の姿は、雀百まで踊り忘れずそのものだ。
  • 大人になっても、つい貧乏ゆすりをしてしまう。まさに雀百まで踊り忘れずだね。
  • あれだけ痛い目を見たのに、またギャンブルに手を出して。雀百まで踊り忘れずというものだ。
  • 幼い頃に叩き込まれたピアノの指使いが、数十年経っても指に馴染んでいる。雀百まで踊り忘れずだ。

誤用・注意点

似た意味を持つ「三つ子の魂百まで」との使い分けに注意が必要です。

  • 三つ子の魂百まで
    主に性格や気質(生まれ持った内面的なもの)を指します。
  • 雀百まで踊り忘れず
    主に動作、習慣、癖、道楽(後天的に身についた具体的な行動)を指します。

基本的には、具体的な「癖」や「行動」を指す場合は「雀百まで」を使うのが適切です。

類義語・関連語

「雀百まで踊り忘れず」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 三つ子の魂百まで(みつごのたましいひゃくまで):
    幼い時の性格は、百歳になっても変わらないということ。
  • 噛む馬は終いまで噛む(かむうまはしまいまでかむ):
    人を噛む癖のある馬は、死ぬまでその癖が直らない。悪癖は直りにくいというたとえ。
  • 病は治るが癖は治らぬ(やまいはなおるがくせはなおらぬ):
    病気は薬で治せるが、染み付いた癖を矯正するのは非常に難しいということ。

対義語

「雀百まで踊り忘れず」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。

  • 矯めるなら若木のうち(ためるならわかぎのうち):
    癖を直したり教育したりするなら、まだ柔軟性のある若いうちに行うべきだということ。
  • 昨日の非は成敗す(きのうのひはせいばいす):
    過去の過ちを改めて、新しく生まれ変わること。

英語表現

「雀百まで踊り忘れず」を英語で表現する場合、習慣の強さを表すフレーズを用います。

What is learned in the cradle is carried to the grave.

「ゆりかごで学んだことは墓場まで運ばれる」
幼い頃に覚えたことは、一生忘れないという意味で、日本のことわざと非常に近いニュアンスを持ちます。

  • 例文:
    He still bites his nails. What is learned in the cradle is carried to the grave.
    (彼はまだ爪を噛んでいる。雀百まで踊り忘れずだね。)

Old habits die hard.

「古い習慣はなかなか消えない」
長く身についた習慣を断ち切ることの難しさを表す、非常によく使われる表現です。

  • 例文:
    I try to quit smoking, but old habits die hard.
    (禁煙しようとしているが、古い習慣はなかなか抜けない。)

スズメの移動法「ホッピング」

ことわざの由来となったスズメの「踊り」ですが、生物学的には「ホッピング」と呼ばれます。

スズメは基本的に樹上で生活する鳥であり、木の枝をしっかり掴むために足の筋肉が発達しています。一方で、地上を交互に足を出して歩く(ウォーキング)ための筋肉はあまり発達していません。そのため、地上を移動する際もバネを使って跳ねたほうが、スズメにとっては効率的なのです。

この身体的な特徴が生涯変わらないことを、「踊りを忘れない」と表現した江戸時代の人々の観察眼には驚かされます。

まとめ

「雀百まで踊り忘れず」は、一度身についた習慣や癖を矯正することの難しさを説く言葉です。自分では意識していなくても、他人の目には「相変わらずだな」と映っている癖があるかもしれません。

しかし、この言葉は裏を返せば、若いうちに良い習慣を身につけてしまえば、それは一生の財産になるということも示唆しています。自分を形作る「習慣」を大切に育てていくことが、豊かな人生への近道と言えるかもしれません。

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