得意満面

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慣用句 四字熟語
得意満面
(とくいまんめん)

7文字の言葉と・ど」から始まる言葉
得意満面 【個別】ことわざ・慣用句・四字熟語

努力が報われて成果が出た時や、人から褒められた時、嬉しくて自然と顔がにやけてしまう瞬間。
心の中にある誇らしさや喜びが隠しきれず、表情全体にあふれ出てしまうような様子を、「得意満面」と言います。

本人はすまして隠しているつもりでも、周りから見れば「何か良いことがあったんだな」とすぐに分かってしまう、そんな人間味あふれる状態を指す言葉です。

意味

「得意満面」とは、誇らしげな気持ちが、顔全体にありありと表れている様子のことです。

物事が思い通りに進んだり、成功を収めたりした際の、「どうだ、すごいだろう」という自信と喜びに満ちた表情を指します。

  • 得意(とくい):自分の思い通りになって満足すること。また、誇らしげに振る舞うこと。
  • 満面(まんめん):顔じゅう。顔の表面全体。

この二つが合わさり、「満足しきった気持ちが、隠そうとしても顔の至るところににじみ出ている」という状態を表します。

語源・由来

「得意満面」の由来は、それぞれの言葉の成り立ちにあります。

「得意」という言葉は、古くは中国の古典にルーツがあります。本来は「意を得る」、つまり「志や願いがかない、満足すること」を意味していました。そこから転じて、思い通りになって誇らしげな様子そのものを指すようになりました。

一方、「満面」は「満面の笑み」や「満面朱を注ぐ(恥ずかしさなどで顔が真っ赤になる)」という表現でも使われるように、感情が顔いっぱいに広がる様子を表します。

この二語が結びつき、単に嬉しいだけでなく、「自信」や「自慢したくなる気持ち」がプラスされた表情を形容する四字熟語として定着しました。

使い方・例文

「得意満面」は、日常会話から小説などの描写まで幅広く使われます。
基本的には「成功して嬉しい様子」を表す言葉ですが、文脈によっては「少し調子に乗っている」「ドヤ顔をしていて鼻につく」といった、やや皮肉を含んだニュアンスで使われることもあります。

例文

  • テストで100点を取った息子は、「得意満面」で答案用紙を私に見せてきた。
  • 初めて作った料理が家族に大好評で、母は「得意満面」な笑みを浮かべた。
  • 難解なパズルを誰よりも早く解き明かし、彼は「得意満面」だった。
  • 自分の手柄を「得意満面」に語る彼を見て、同僚たちは苦笑いしていた。

江戸川乱歩『怪人二十面相』での使用例

名探偵・明智小五郎のライバルである怪盗を描いた『怪人二十面相』では、犯人がまんまとお宝を盗み出し、高笑いするシーンで登場します。

賊は、もう、逃げかくれる必要がないとさとったのか、いきなり、あたりを圧して高笑いをはじめました。二十面相は、「得意満面」でした。
(江戸川乱歩『怪人二十面相』)

ここでは、自分の計略が成功したことへの絶対的な自信と、相手を出し抜いた快感が「得意満面」という言葉で表現されています。

類義語・関連語

「得意満面」と似た意味を持つ言葉には、喜びや誇りを表す多くの表現があります。

  • 意気揚々(いきようよう):
    気持ちが高揚し、誇らしげに振る舞う様子。「得意満面」が「顔の表情」に焦点を当てているのに対し、「意気揚々」は「威勢の良さや、歩き方などの動作」を含んだニュアンスがあります。
  • 有頂天(うちょうてん):
    喜びで夢中になり、我を忘れていること。「得意満面」よりも理性を失っている度合いが強く、浮かれている状態を指します。
  • 春風満面(しゅんぷうまんめん):
    春風のように穏やかで、嬉しそうな顔つきのこと。こちらは「自慢」のニュアンスは薄く、他人への接し方が温かい様子を表す際によく使われます。
  • 鼻高々(はなたかだか):
    得意になって自慢らしい様子。「鼻が高い」を強調した表現です。

対義語

「得意満面」とは対照的な意味を持つ言葉は、失望や落胆を表すものが挙げられます。

  • 意気消沈(いきしょうちん):
    元気がなくなり、しょげかえってしまうこと。
  • 失望落胆(しつぼうらくたん):
    期待が外れてがっかりし、気力をなくすこと。
  • 垂頭喪気(すいとうそうき):
    頭を垂れて、元気をなくしている様子。
  • 顔面蒼白(がんめんそうはく):
    恐怖やショックで、顔色が青ざめること。「満面(赤みや笑み)」の対比として使われることがあります。

英語表現

「得意満面」を英語で表現する場合、誇りや勝利のニュアンスを含んだフレーズが適しています。

look triumphant

  • 意味:「勝ち誇った顔をする」
  • 解説:勝利や成功を収めた時の、誇らしげな表情を表す最も一般的な表現です。
  • 例文:
    He came back looking triumphant.
    (彼は得意満面で帰ってきた。)

be beaming with pride

  • 意味:「誇りで顔を輝かせる」
  • 解説:”beam” は光を発する、ニコニコするという意味。誇らしさで顔が輝いている様子を描写します。
  • 例文:
    She was beaming with pride.
    (彼女は得意満面だった。)

「得意」にまつわる豆知識

「得意満面」は微笑ましい状態ですが、度を越すと「油断」につながることがあります。
これに関連して、昔から中国では次のような処世訓が知られています。

「得意淡然、失意泰然」
(とくいたんぜん、しついたいぜん)

  • 得意淡然:物事がうまくいっている時(得意の時)こそ、おごり高ぶらず、淡々としていなさい。
  • 失意泰然:物事がうまくいかない時(失意の時)こそ、動じることなく、ゆったりと構えていなさい。

明の時代の学者、崔銑(さいせん)の言葉に由来するとされるこの格言。「得意満面」になるのは人間として自然な反応ですが、その喜びを噛み締めつつも、心のどこかでは「淡然」とした謙虚さを忘れないことが、長く成功を続ける秘訣と言えるでしょう。

まとめ

「得意満面」は、成功や満足感が顔いっぱいに溢れ出ている様子を表す四字熟語です。
テストで良い点を取った子供の笑顔や、仕事を成し遂げた時の達成感に満ちた表情など、ポジティブなエネルギーを伝える言葉として広く使われています。

一方で、あまりにもあからさまだと「調子に乗っている」と受け取られる場合もあります。
自分の成功を素直に喜ぶことは素晴らしいことですが、時と場合によっては、その喜びを少し控えめにする「奥ゆかしさ」もまた、大人の嗜みと言えるかもしれません。

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