慣用句

腑に落ちない

(ふにおちない)

物事に納得がいかず、どうにも合点がいかない。


6文字の言葉 / 「ふ・ぶ・ぷ」から始まる言葉
腑に落ちない ことば
スポンサーリンク

意味

「腑に落ちない(ふにおちない)」とは、心から納得することができないという意味です。

語源・由来

この言葉の「腑」は、はらわた(= 内臓)のことで、転じて心を指します。
物事が心に落ちていかない、ということから、納得できない気持ちを表すようになりました。

使い方・例文

  • 値上げの理由を店の人から何度聞いても、どうも腑に落ちない。
  • テストの採点に腑に落ちないところがあり、放課後に先生へ質問しに行った。

夏目漱石『行人』のHさんの手紙

夏目漱石の『行人こうじん』の終わりには、語り手の二郎の兄・一郎と旅に出た、一郎の友人のHさんが、旅先での一郎のようすを二郎へ知らせる長い手紙があります。
Hさんは、納得がいくまでどこまでも問いつめる一郎の性分しょうぶんを、こう書いています。

兄さんは正直です。腑に落ちなければどこまでも問いつめて来ます。
(『行人』1912〜1913年)

類義語・関連語

  • 解せない(げせない):
    理解ができず、納得もいかない。意味はほぼ同じ。
スポンサーリンク

対義語

  • 合点がいく(がてんがいく):
    事情や理由がよく分かり、納得できる。

英語表現

doesn’t add up

話のつじつまが合わず、納得がいかないこと。
直訳は「計算が合わない」。

His explanation of the missing money just doesn’t add up.
(なくなったお金についての彼の説明は、どうも腑に落ちない。)

「腑に落ちる」は昭和の小説にも

この言葉は「腑に落ちない」「腑に落ちかねる」のように、打ち消しの形で使うのが伝統的な使い方です。
近年は「説明を聞いて腑に落ちた」のように、打ち消さずに「納得がいく」の意味で使うことも多くなりました。
ただ、打ち消さない形も最近生まれたものではありません。
『夫婦善哉めおとぜんざい』で知られる織田作之助おださくのすけ(1913〜1947年)の小説『わが町』には、祖父が日頃から言う「人間は働くために生れて来たのや」という言葉が、孫娘の「腑に落ちていた」と書かれています。
少なくとも80年近く前には、打ち消さない形でも使われていたことになります。

スポンサーリンク

コメント

URLをコピーしました