意味
「角が立つ(かどがたつ)」とは、理屈っぽい物言いや堅苦しい態度がもとで、相手との仲や物事の運びがぎくしゃくするという意味です。
語源・由来
この言葉の「角」は、物のとがったところを指します。
そこから、人の性格や言動の、丸みに欠けてとげのある部分もいうようになりました。
使い方・例文
「かどがたつ」と読み、「つのがたつ」「かくがたつ」とは読みません。
「角が立たないように」と打ち消しの形でも使います。
- 上司の案の欠点をそのまま指摘すれば角が立つと思い、言い方を考えた。
- 町内会の集まりで、角が立たないように反対の意見を伝えた。
夏目漱石『草枕』の書き出し
『草枕』(夏目漱石)は、この言葉で始まる小説です。
絵かきの主人公が山道を登りながら考える場面で、理屈で動けば人とぶつかり、情に任せれば流されると、人の世の住みにくさを並べています。
山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
類義語・関連語
- 角立つ(かどだつ):
物事が円満さを失い、とげとげしい様子になること。 - 物も言いようで角が立つ(ものもいいようでかどがたつ):
言っている中身に誤りがなくても、物の言い方が悪いと相手の気分を害し、もめ事になるというたとえ。「角が立つ」を含む句で、言い方に原因を絞って戒める点が異なる。
英語表現
ruffle someone’s feathers
人の気分を害して、波風を立てること。
I chose my words carefully so as not to ruffle my boss’s feathers.
(上司との間に角が立たないよう、言葉を選んだ。)
rub someone the wrong way
言い方や態度が、意図せず相手をいら立たせること。
His blunt remarks tend to rub people the wrong way.
(彼の遠慮のない物言いは、とかく角が立つ。)
宝石の板の角が人柄のたとえに
人柄や物言いの角を、漢語では「圭角」ともいいます。
「圭」は、玉(= 宝石にする美しい石)で作った、先のとがった長方形の板です。
古代中国で、王が家来を各地の領主に任じるとき、そのしるしとして授けました。

「圭角」はもともとこの玉のとがった角を指し、そこから、性格や言動に角があって円満でないことをいうようになりました。
作家の田山花袋は『田舎教師』で、苦労を重ねて人柄の丸くなった人物を、こう書いています。
まだ三十四五であったが、世の中の辛酸をなめつくして、その圭角がなくなって、心持ちは四十近い人のようであった。









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