意味
「疾風に勁草を知る(しっぷうにけいそうをしる)」とは、つらい目にあったときに初めて、その人の意志の強さや節操の固さが分かるという意味です。
激しい風が吹いて初めて、風に折れない強い草が見分けられることにたとえた言葉です。
- 疾風(しっぷう):速く激しく吹く風。はやて。
- 勁草(けいそう):風にも負けない強い草。
- 節操(せっそう):信じる考えや立場を守り通すこと。
語源・由来
この言葉は、中国の歴史書『後漢書』の王覇伝にある話から出ています。
のちに後漢を開く光武帝(劉秀)が、まだ帝位につく前、黄河を渡って北の地へ向かったころのことです。
王覇について来た数十人の仲間は少しずつ去っていき、光武帝は一人残った王覇に次のように言いました。
潁川從我者皆逝,而子獨留。努力!疾風知勁草。
(潁川から私に従ってきた者はみな去ったのに、きみだけは残った。励めよ。激しい風が吹いて初めて、強い草が分かるのだ)
使い方・例文
- 人が次々に辞めていくなか、最後まで残った部下に、社長は疾風に勁草を知る思いがした。
- 連敗続きでも練習を一日も休まなかった主将を見て、疾風に勁草を知るとはこのことだと感じた。
- 批判が集まっても主張を曲げなかった議員を、記者は疾風に勁草を知るの言葉で評した。
類義語・関連語
- 歳寒の松柏(さいかんのしょうはく):
真冬にも緑を保つ松や柏のように、苦しい立場でも節操を守って屈しないことのたとえ。
見出し語が苦難を通して人の強さが分かることをいうのに対し、こちらは屈しない人の姿そのものをたとえる語。
王覇と虖沱河の氷
この言葉をかけられた後も、王覇は光武帝のそばで働きました。
敵の王郎の兵に追われて南へ急ぐ途中、一行は虖沱河という川に行き当たります。
見張りの役人は、川には氷が流れていて船も無く、渡れないと報告しました。
様子を見に行った王覇は、皆がおびえるのを恐れて、氷が固くて渡れるとうそを伝えます。
ところが川に着いてみると、本当に氷が張っていました。
王覇が見守るなか一行は川を渡り、あと数騎というところで氷が解けたと『後漢書』は伝えています。
光武帝は、王覇の機転で事がうまく運んだのは天のしるしのようなものだと言い、王覇を軍の役職に取り立てました。










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